研究課題/領域番号 |
16J00179
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
市倉 加奈子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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キーワード | がん / 家族 / 意思決定 / 終末期 / 緩和 / 療養先 / 心理療法 / 心理的支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、積極的治療が終了した終末期がん患者および家族の意思決定を支援する心理療法プログラムを開発することを目指している。本研究の目的は、終末期の療養先選択に焦点を当て、家族との意思の不一致が精神的苦痛に及ぼす影響を検討すること(研究1)、家族との意思の不一致に介入するプログラム(PL-FACT)を開発すること(研究2)、PL-FACTの実施群と非実施群で精神的苦痛の差を検討すること(研究3)、の3点である。平成28年度は、まず研究1について研究協力者と共に十分にミーティングの時間を重ね、研究計画書の作成を行った。これを基に6月に当該施設の倫理審査委員会への申請を行い、最終的に8月の時点で審査委員会より承認を得ている。これらの作業と並行して、研究リクルートを実施する全ての診療科に対して説明会を実施し、臨床現場の疑問点を明らかにした上で、各科のリクルート手順について詳細を定めた。また看護部に対しても説明会を行うと共に、問題が生じた場合にはすぐにフィードバックが得られる体制作りを心がけ、院内周知に努めた。上記の作業とミーティングを繰り返し、11月より正式にリクルートを開始した。転院,急変,死亡などで参加困難となる症例も多く,リクルートには難渋しているものの,リクルートは引き続き継続することとした。 研究計画や準備と並行して、情報収集の目的で国内外の関連学会への参加も行った。World Congress of Behavioural and Cognitive Therapyでは高齢者やがん患者を対象とした認知行動療法の研究について国際動向を学び、日本サイコオンコロジー学会では終末期医療の本邦の現状について広く学びを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時に計画していた通り、研究1では倫理審査委員会の承認を得て、リクルートを開始することができた。しかし、終末期という特性がゆえに、急な転院、急変、死亡などが多く、リストアップされてもデータ収集が困難となる症例が多い。また積極的治療の終了という判断が難しい場合も多く、リクルートには難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究1のリクルートおよびデータ収集を継続するとともに、データの中間報告を行っていく。また臨床医を初めとする現場スタッフからも情報収集し、リクルートのタイミングについて再検討する必要があれば、計画の修正を行っていく。
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