研究課題
前年度には脂肪酸伸長酵素Elovl6の欠損による神経幹細胞の自己複製能の低下と相関して変化する遺伝子群をトランスクリプトーム解析により明らかにした。今年度はさらに、Elovl6欠損による神経幹細胞の自己複製能を回復させるような脂質を見出し、その効果が最も認められる条件のサンプルでリピドミクス解析を実施した。その結果、Elovl6活性により変化する様々な脂質クラスの中で、神経幹細胞の自己複製能とよく相関する脂質クラスとその構成脂肪酸分子種の特徴を見出すことに成功した。今後、トランスクリプトーム解析とリピドミクス解析の結果を統合し、特定した脂肪酸分子種のElovl6による制御機構と神経幹細胞における役割をin vitroおよびin vivoで解析することで、Elovl6の神経幹細胞の自己複製能のおける重要性を分子レベルで明らかとする。さらに、特定した脂肪酸分子種を精神・神経疾患モデルマウスや細胞株を用いて予防・治療効果を検討し、Elovl6の発達・機能における重要性を明らかにするとともに、学習・記憶形成、うつ、痴呆、脳腫瘍等の病態の解明や、これらの疾患を対象とした新規予防法および治療法の開発への貢献を目指す。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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