研究課題/領域番号 |
16J00273
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
田村 秀希 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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キーワード | 質感認知 / 材質識別 / 鏡面反射 / 透明感 / optic flow / 画像統計量 / ディープニューラルネットワーク |
研究実績の概要 |
本年度も引き続き,ヒト視覚系の質感認知のモデル化を進めた.特に周囲の環境光の影響により物体の見えが大きく変化する鏡とガラス材質の識別について,運動情報が手がかりとしてどのように寄与するかを検討した.運動する物体の鏡面反射感と透明感を評定する心理物理実験から,滑らかな表面を持つ物体の屈折率によって運動情報(optic flow)が大きく変化し,ヒト視覚系はその情報を材質識別に用いている可能性が示唆された.そして,この知見に基づくモデルからヒト視覚系の質感知覚を精度良く推定できた.以上の結果はVision Sciences Society 2017にて発表し,これまでの成果および追加実験・解析をまとめたものを現在国際論文誌に投稿中である. 平成29年6月からUniversity of Giessen(独)に課題遂行のため半年間研究滞在した.Prof. Fleming lab.との国際共同研究を現在進めている.ヒト視覚系は材質識別する際にどの程度画像統計量に依存しているかを,数十万枚を超える画像群を用いた機械学習により推定した.特徴量として与える画像統計量の複雑度が異なる複数の機械学習のモデルを用意し,同時にさらに高次なモデルとしてディープニューラルネットワークを用いた材質識別モデルの構築も行った.結果として,ヒト視覚系に匹敵する材質識別性能を示すモデルを構築できた.以上の結果はVision Sciences Society 2018にて発表予定である(受理済).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数十万枚を超える大規模な画像群を用いた機械学習により,画像統計量とヒト視覚系の材質識別の関係性を紐解く知見が得られた.加えて,鏡・ガラス材質識別に画像情報だけでなく運動情報も寄与することを示すモデルを構築することができた.そのため,研究は順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
大規模画像群を用いた機械学習によるヒト視覚系の材質識別モデルを,より精度よく,かつヒト視覚系に近い特性を示すようにアーキテクチャと学習方法の最適化を進める.そして,そのモデルとヒト視覚系の神経科学・生理学的特徴との関係性を明らかにする.
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