研究実績の概要 |
平成28年度中には、2011年長野県北部の地震(Mw 6.2)の前震活動の震源決定を行い、それに基づいて得られた地震カタログをもとに地震活動発生のメカニズムを考察し、その成果を国内2つの学会にて報告した。また、平成28年4月に発生した熊本地震の表面波伝播により日本国内で誘発された遠方での地震活動の解析を行い、共著としてその成果を論文に発表した。
1.長野県北部の地震の前震活動についての研究では、前震活動がほとんど存在しなかったと従来考えられてきたMw 6.2 の地震の震源近傍の断層面付近と、それとは別に東に5km離れた断層外の領域において、東北沖地震発生からMw 6.2の地震発生までの間に200以上の小地震活動をMFTを用いて見出した。また、東北沖地震の余震活動に伴う表面波の到達後に研究対象地域で誘発されている小地震活動の有無を統計的解析により見出した。 2.熊本地震により誘発された地震活動についての研究では、日本全国のHi-net,気象庁,F-net, V-netの地震観測網観測点 (1000以上)データを用いて、2011年4月16日に発生した熊本地震(Mjma 7.3)により励起された表面波通過中あるいは直後に日本全国各地で発生した地震活動を波形の目視観察により見出し、その結果は学術誌Earth, Planets and Spaceに論文として7月に投稿、10月に公表され、私はその中での主な解析および作図を担当した。
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