• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

アルコールの不斉を識別するジアステレオ選択的なグリコシル化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16J00784
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

木村 智哉  慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワードグリコシル化反応 / ジアステレオ選択的 / キラルリン酸触媒 / 有機光酸触媒 / 芳香族チオウレア / 環境低負荷型 / 立体選択的
研究実績の概要

ジアステレオ選択的なグリコシル化反応を指向し、β体のトリクロロアセトイミデートをグリコシルドナーとして用いた検討を行った。すなわち、本反応は、キラルなリン酸触媒の酸性部位がグリコシルドナーを活性化し、同時にキラルなリン酸触媒の塩基性部位にアルコールのプロトンが配位しながらSN2反応が進行することで、α体のグリコシドが優先的に得られると考えた。しかし、種々の酸性度を有するキラルなリン酸触媒を用いて、反応条件の最適化を行ったものの、いずれの反応も生成しうる4種類の配糖体が混合物として得られた。グリコシルドナーの不安定さゆえに、想定した中間体及びSN2反応を経由しなかったと考えられる。
続いて、ラクトール体をグリコシルドナーとして用いた検討を行った。活性化剤であるキラルなリン酸触媒の酸性部位がグリコシルアクセプターを活性化、同時に活性化剤の塩基性部位にグリコシルドナーのプロトンが配位しながらSN2反応が進行することで、望むジアステレオ選択的なグリコシル化反応が実現できると考えた。しかし、本反応におけるグリコシルドナーの求核性は著しく低く、グリコシルドナーは回収され、トリクロロアセトイミド基を有するグリコシルアクセプターは分解する結果となった。
最後に、環境調和型有機合成反応の実現を指向し、芳香族チオウレアを有機光酸触媒とする光グリコシル化反応の開発を行った。本研究において、長波長紫外光照射下、励起状態となった芳香族チオウレアがプロトンを放出し、糖供与体を速やかに活性化可能なことを明らかにした。さらに、濃度条件を変更することで、対応するα/β両グリコシドを作り分けられること、及び、触媒の回収・再利用が可能なことを見出した。この研究成果は、国際的に権威のある学術雑誌であるOrganic Letters誌にて発表した。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stereocontrolled Photoinduced Glycosylation Using an Aryl Thiourea as an Organophotoacid2016

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Kimura, Takahiro Eto, Daisuke Takahashi, Kazunobu Toshima
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 18 ページ: 3190-3193

    • DOI

      10.1021/acs.orglett.6b01404

    • 査読あり
  • [学会発表] ナフトール及び芳香族チオウレアを有機光酸触媒として利用する光グリコシル化反応の開発2016

    • 著者名/発表者名
      木村智哉、江藤貴宏、岩田亮介、高橋大介、戸嶋一敦
    • 学会等名
      第109回有機合成化学シンポジウム
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス(東京都・目黒区)
    • 年月日
      2016-06-08 – 2016-06-09

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi