研究課題
1-(1) 昨年度は、初期胚が卵管内を何時間で、そしてどのような卵割様式で移動していくかについて明らかにした。今年度は、移動現象をより詳細に解析するために、初期胚を模倣した蛍光ビーズを用いてライブイメージングを行った。過排卵処理したメスマウスとオスを交配させ、交配12時間後に片方の卵管膨大部に蛍光ビーズを挿入した。観察する時間まで体内で蛍光ビーズを保持させ、交配後36、42時間で卵管を摘出し観察を行った。その結果、蛍光ビーズは初期胚の動きと同調して卵管内を移動し、蛍光ビーズは卵管収縮により振り子運動を繰り返しながら子宮側へと移動していることが明らかになった。1-(2) 卵管接合部(UTJ)での初期胚の動きを明らかにするために、(1)の蛍光ビーズを用いてUTJ通過を観察した。交配後12時間で卵管膨大部にビーズを入れ、卵管、子宮、膣をDMEM Ham’s F/12で培養した。タイムラプスイメージングでUTJを観察した結果、卵管峡部に1列で並んでいた蛍光ビーズが緩やかな卵管収縮によって徐々にUTJの先端へと移動し、子宮の収縮と弛緩に同調するようにUTJを通過した様子が観察された。2 卵管内の精子遡上に関与する卵管収縮の役割を明らかにするため、精子の遡上が行われる排卵時のマウス卵管から新規卵管収縮因子の同定を行った。マウス卵管のマイクロアレイの結果から、排卵期で高発現する収縮関連遺伝子を同定することができた。今後はこれらのデータをもとに、精子遡上時の卵管収縮を制御している因子の決定を行う予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS One
巻: 14(4) ページ: e0214687
10.1371/journal.pone.0214687. eCollection 2019.