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2017 年度 実績報告書

逐次合成法による高次機能性ポルフィリンアレイ単分子デバイスの実現

研究課題

研究課題/領域番号 16J01261
研究機関東京大学

研究代表者

玉木 孝  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワード金属ポルフィリン / 単分子エレクトロニクス / 機能性単分子デバイス / スピロピラン / 分子ダイオード / 分子スイッチ
研究実績の概要

様々な中心金属を有するポルフィリン錯体について、ブレークジャンクション法により単分子の電気伝導度の測定を行った。その結果、理論式に従って電気伝導度と金属ポルフィリンのHOMOとの間に相関を持つことが実際に確かめられた。ここで理論式によるフィッティングによって単分子架橋状態における金電極のフェルミ準位及び分子と電極とのカップリングΓを求めることが可能ではないかと考えた。最終的に、ΔSCF法により計算されたイオン化ポテンシャルと電気伝導度を持ちいてフィッティングを行ったところ、鏡像電荷効果を考慮し、フェルミ準位が-4.8eV、Γが-6.6meVであるとそれぞれ求まった。フェルミ準位については、バルク金属表面のものと比較的同様であり、これは単分子架橋において、分子が表面に与える影響が十分に少ないためであると考えられる。また、Γについては計算値と比較して妥当な値であると考えられる。以上のように、様々な金属ポルフィリンの電気伝導度とイオン化ポテンシャルの関係から、分子架橋におけるエネルギー準位の位置関係を知ることに成功した。
また、ブレークジャンクション法において破断の過程で分子に張力が印加されていることに着眼し、力学刺激により動作する機能性単分子デバイスの評価を試みた。力学刺激に応答する骨格としてはスピロピランを用い、力学刺激を伝えるのに十分強いアンカーであるチオールを導入した分子を合成した。この分子について、MCBJ法によりI-V特性の評価を行った。その結果、スピロピラン状態においては整流性をしめし、メロシアニン状態においては対称なI-Vカーブを示すことが明らかとなった。更に、電極間距離を大きくし張力を印加することで整流を示すI-Vカーブから対称なI-Vカーブへの変化の観測に成功し、スピロピランの異性化を実現できたと考えている。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of Single Molecule Conductance of Heterogeneous Porphyrin Arrays by Partial Transmission Probabilities2017

    • 著者名/発表者名
      Tamaki Takashi、Ohto Tatsuhiko、Yamada Ryo、Tada Hirokazu、Ogawa Takuji
    • 雑誌名

      ChemistrySelect

      巻: 2 ページ: 7484~7488

    • DOI

      10.1002/slct.201701015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nonlinear and Nonsymmetric Single-Molecule Electronic Properties Towards Molecular Information Processing2017

    • 著者名/発表者名
      Tamaki Takashi、Ogawa Takuji
    • 雑誌名

      Topics in Current Chemistry

      巻: 375 ページ: 0~29

    • DOI

      10.1007/s41061-017-0167-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxygen Reduction Reaction (ORR) Activity of a Phenol-Substituted Linear FeIII-Porphyrin Dimer2017

    • 著者名/発表者名
      Tei Go、Tamaki Takashi、Hayashi Takao、Nakajima Kosuke、Sakai Akihiro、Yotsuhashi Satoshi、Ogawa Takuji
    • 雑誌名

      European Journal of Inorganic Chemistry

      巻: 2017 ページ: 3229~3232

    • DOI

      10.1002/ejic.201700394

    • 査読あり
  • [学会発表] 力学刺激によりスイッチング特性を発現する単分子デバイス2018

    • 著者名/発表者名
      玉木孝、美濃出圭吾、沼井優一、大戸達彦、山田亮、夛田博一、寺尾潤
    • 学会等名
      日本化学会 第98春季年会

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公開日: 2018-12-17  

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