平成29年度,研究員の活動は以下の通りにまとめることができる。 ①7月から8月にかけての国際学会及び国内の研究会における研究報告及び会場でのレスポンスで得られたもののフィードバックを通じた研究方向の軌道修正。 ②年度末に実施したウズベキスタンでの現地調査による情報収集。 前者に於いては平成28年度での研究進捗を元に発表を行ったが,特に方法論の面において強い批判を受けることになった。これに関しては,以前から指導を受けていた秋田大学の稲垣文昭講師(国際関係,中央アジア地域研究,水資源問題,エネルギー)から,ガバナンスの観点から研究視点を強化してはどうかというアドバイスを得,研究員としては非常に光明を見た思いであった。これまでは主に地域研究的な視点から,もっぱら地域の事情の理解に努めてきた側面があったため,方法論の弱さをまさにつかれた形であった。 その後の研究の進捗を踏まえ,論文にまとめる作業を行うのと併行して,年度末の現地調査への準備を進めた。政権が変わった後,研究対象地のウズベキスタンでは農村政策にはどのような変化があるのか,また,前年度の調査からの変化を観察する上でも,この現地調査は重要であった。結果としては,海外ドナーの活動の活発化,土地の国家による貸し出し,それを通じた農政,農村ガバナンスにも変化の兆しがあることを確認できた。この成果は今年度以降,何らかの形で研究成果として発信していく予定である。
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