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2017 年度 実績報告書

20世紀の植物学における非ダーウィン的進化論――総合説との関係に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 16J01616
研究機関東京大学

研究代表者

中尾 暁  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード科学史 / 生物学史 / 進化論史 / 分類学史 / 早田文藏 / 動的分類系
研究実績の概要

本年度は、東京帝国大学の教授や小石川植物園の園長を務めた植物学者である早田文藏(1874-1934)に関する研究を深化させ、論文発表に向けての準備をおこなった。以前の予定を少し変更して早田に注力したのは、研究を進めるにつれ、早田による独自の進化・分類理論の提唱が、生物学史の観点のみならず日本科学思想史の観点から見ても重要な事例であり、綿密に研究する価値が大きいと考えられるようになったためである。
本年度の4月には、それまでの研究のまとめとなる口頭発表をおこなった。次に、早田が晩年に執筆したものの今まで公刊されないままとなっていた檄文「敢て本邦の分類學者に檄す」について、ご遺族の許可のもとで書き起こしを行い、考察を加えて『生物学史研究』上で紹介した。
さらに、より多様な視座を本研究に取り入れ、英語での成果発表につなげていくために、8月からは米国ボルチモアに長期滞在し、ジョンズ・ホプキンス大学の科学技術史学科でvisiting studentとして研究を進めている。研究会などの機会を活用してさまざまな研究者から情報や意見を集めるとともに、生物学史や日本科学史の専門家による指導を得て、英語論文の発表に向けた準備をおこなっている。
また、アウトリーチ活動として、滋賀県東近江市の「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」で9月から始まった企画展示「分類學トハ如何ナルモノカ? 台湾植物界の父・早田文蔵(前半)」に協力し、情報の提供や説明文の執筆などをおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究環境を移すための準備に時間がかかったこともあり、本年度は成果の発表は少なくなってしまったが、早田文藏に関する論文の完成へ道筋をつけることができた。

今後の研究の推進方策

2018年度は、早田文藏に関する論文を完成させるとともに、早田に大きな影響を与えたと考えられる植物学者のJ・P・ロッツィについての研究を再び進展させることを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 早田文藏の手紙および檄文「敢て本邦の分類學者に檄す」2017

    • 著者名/発表者名
      中尾暁
    • 雑誌名

      生物学史研究

      巻: 96 ページ: 1-9

  • [雑誌論文] メンデルを継ぐ者?――J・P・ロッツィの交雑に基づく進化論2017

    • 著者名/発表者名
      中尾暁
    • 雑誌名

      生物学史研究

      巻: 96 ページ: 76-78

  • [学会発表] 早田文藏の生物学思想――因子分配説から動的分類系、永遠の生命まで2017

    • 著者名/発表者名
      中尾暁
    • 学会等名
      火曜日ゼミ
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/nakaogyo

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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