研究課題
前年度までに確立したcDNA display技術を活用して、引き続き蛍光修飾ペプチドライブラリを使った「標的タンパク質に結合することで発光特性が変わる蛍光プローブ」および「プロテアーゼに対する特異的発蛍光基質」の開発を行った。前者に関しては、各候補ペプチド配列の「蛍光変化」を直接検出可能なフローサイトメーター(FACS)評価系を利用した2段階セレクションシステムを立ち上げるため、ペプチドライブラリをコードするDNAを酵母発現用のプラスミドに導入し、酵母表面に候補ペプチドを発現させて蛍光修飾した。続いてFACSで個別の蛍光を測定・分取することによりセレクションを行った。しかし、細胞表面の内在性タンパク質の影響が予想より大きくS/Nの良いセレクションを実施する事は出来なかった。そこでマイクロビーズ表面にDNAとペプチドを修飾する新たな系を構築することを試みた。種々の条件検討の結果、2種類のモデルDNAを別々のビーズ上に結合させ、夫々に対応するペプチドを当該ビーズ上に固定して分取することに成功した。また後者においては、プロテアーゼによって切断を受けたペプチド配列をセレクションするシステムの構築に前年度の研究で概ね成功している。そこで今年度は更に条件検討を進め、実際にランダムライブラリからの基質セレクションを行った。その結果、セリンプロテアーゼおよびシステインプロテアーゼに対して効率よく酵素反応を受けるペプチド配列を濃縮し、次世代シークエンス解析によって基質配列に関する知見を得ることができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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