研究課題
超好熱性細菌Aquifex arolicus由来のべん毛モーター回転子蛋白質FliFのペリプラズム側領域フラグメント(FliF(58-213))の構造をX線結晶構造解析により2.3オングストローム分解能で決定し、III型ニードル複合体蛋白質との類似性や精製されたFliFのリング状複合体(MSリング)のクライオ電子顕微鏡構造を参照することで、2つの異なる回転対称性を持った二重のリングからなるFliF構造モデルを提唱した。特にβ4とβ5の間のi-loopがべん毛輸送ゲート蛋白質と直接的に相互作用する部位であることが示唆された。これらを元に膜貫通領域を含めたFliF全長からなるMSリング全体構造と、それを足場として集合するその他の蛋白質を含めた分子構造モデルを構築した。べん毛モーターの高出力回転に必要な構成蛋白質FliLに着目し、海洋性細菌Vibrio alginolyticus由来のFliLのペリプラズム側領域の構造をX線結晶構造解析により2.1オングストローム分解能で決定した。構造およびそれを元にした変異体解析から、FliLが固定子を取り囲むように複合体を形成し、FliLリングの内側の疎水性残基によって固定子の活性化が引き起こされることが示唆された。FliLはこれまで見つかっていなかった新規ストマチン様蛋白質(SPFHファミリー蛋白質)であり、機械刺激などの外環境からのシグナルに依存して固定子イオンチャネル活性が制御される可能性が考えられた。同菌のべん毛数制御に関与する蛋白質HubPのC末端ドメインフラグメントをX線結晶構造解析により2.5オングストローム分解能で構造決定した。当ドメインはTPRモチーフを内包し、特異的な表面電荷分布を有し、これがHubP特異的な機能において重要である可能性が考えられる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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mBio
巻: 10 ページ: e00292
10.1128/mBio.00292-19
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20190320_2