研究課題
パタゴニアのペリート・モレノ氷河においてカービングの測定手法の提案とカービング発生メカニズムについて解析を行った.これまでほとんど用いられていなかった水面波を使うことでカービングの頻度や氷山の体積を定量的に推定できることが提案した.またカービングの発生メカニズムについてはデータの測定期間が短期であったことから十分に考察できなかったが,平均気温と平均カービング発生回数はよく一致しており,今後長期の観測をすることが発生メカニズムを明らかにする上で重要であることが示唆された.これらの研究成果は,Journal of Glaciology誌に投稿し受理された.同様の解析はグリーンランドのボードイン氷河やアラスカのルコンテ氷河でも実施しており,現在研究成果の発表に向け準備中である.氷河末端の水中融解の重要性についてパタゴニアの氷河湖で他時期に測定をした水温や濁度を解析することで考察を行った.解析・考察の結果,同じ気候条件であるにも関わらず氷河湖によって水温構造は大きく異なることが明らかとなった.またこの違いには,氷河融解水流出量と湖の深度が重要な影響を持つことが明らかになった.これらの結果は同地域に存在する氷河でも水中融解の重要性は大きく異なる可能性を示唆している.現在研究成果を国際誌への出版に向け準備中である.パタゴニアの氷河での一連の研究成果については2017年7月にベルリンで開催された国際シンポジウムで発表を行った.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Glaciology
巻: NA ページ: NA
10.1017/jog.2018.28
北海道の雪氷
巻: 36 ページ: 53-56
https://sites.google.com/view/m-masa/study-glaciers