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2017 年度 実績報告書

旧石器時代人の狩猟活動の季節性を探る-新手法による狩猟対象獣の歯の成長線解析-

研究課題

研究課題/領域番号 16J02713
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

澤浦 亮平  独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワード旧石器時代 / 狩猟活動 / 季節性 / ノウサギ / 歯の成長線 / マイクロウェア / シリコーン印象材
研究実績の概要

方法論の開発に関して、昨年度検討したもののほかに歯のエナメル質に食物との接触によって生じるマイクロウェアを死亡季節推定の指標として用いる手法も新たに検討した。主要観察対象となる更新世のノウサギの下顎切歯化石の切縁部の多くは、堆積物中の酸によるダメージが認められたため、まず試料として国立科学博物館に収蔵されている保存状態の良好な更新世のヤベオオツノジカやニホンザルの歯化石を選び、歯科用シリコーンによって歯の表面のマイクロウェアの印象を採取し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。
観察を進めるなかで、印象材によってマイクロウェアの印象採取精度が大きく異なることが判明し、研究を進めていく上で、どの材料を選択すべきなのか、また、その材料はどんな物性を持つものなのか、を明らかにする必要が生じた。
この課題の解決に向け、国内外の歯科用シリコーン9つについて、上述の試料を使って、実物とシリコーン印象型でのマイクロウェアにどれほどの違いが生じるのか定量的に検討した。それと並行して、シリコーン自体の物性を定量的に評価し、マイクロウェアの印象精度との関係を解明するために、動的粘弾性と硬化収縮率の測定も実施した。
検討の結果、主剤と硬化剤を混和してから急速に収縮が進んでしまうシリコーンはマイクロウェアの印象を正確に採取できない傾向が確認された。また、硬化が遅いシリコーンも同様に印象を正確に採取できない傾向にあった。
こうした検討から、先行研究によって多用されてきた国外産のシリコーンに代替可能な国内産の製品として今回検討した中からは2つの製品があげられることを示した。これに加え、これらの製品以外についても代替品を選択するための重要な指標となる歯科用シリコーンの収縮率と粘弾性という物性の経時変化を初めて定量的に示すことができた。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Late Pleistocene hares of the Japanese archipelago: Paleobiogeographic implication at the Last Glacial Maximum2018

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Sawaura, Junmei Sawada, Takao Sato, Toshihiko Suzuki, Keiichi Sasaki
    • 雑誌名

      International Journal of Osteoarchaeology

      巻: 28 ページ: 179-187

    • DOI

      https://doi.org/10.1002/oa.2645

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 最花貝塚の鳥獣類遺体及び骨角器類 -同志社大学所蔵「酒詰コレクション」の内容-2017

    • 著者名/発表者名
      澤浦亮平・吉永亜紀子・佐藤孝雄
    • 雑誌名

      同志社大学歴史資料館館報

      巻: 20 ページ: 1-11

    • DOI

      https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/25851/037000200003.pdf

    • オープンアクセス
  • [学会発表] シリコーン印象材の物性と歯のマイクロウェア印象精度の関係性2018

    • 著者名/発表者名
      澤浦亮平・木村由利・久保麦野
    • 学会等名
      日本古生物学会第167回例会
  • [学会発表] 青森県下北半島尻労安部洞窟から出土した後期更新世ノウサギ属の種同定2018

    • 著者名/発表者名
      澤浦亮平
    • 学会等名
      日本古生物学会第167回例会
  • [学会発表] 尻労安部洞窟のオオヤマネコ遺体群2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤孝雄・増田隆一・米田穣・澤田純明・吉永亜紀子・澤浦亮平・平澤悠・渡辺丈彦・鈴木敏彦・奈良貴史
    • 学会等名
      日本動物考古学会第5回大会

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公開日: 2018-12-17  

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