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2018 年度 実績報告書

天然基質の官能基の一部として誤認識される小分子を用いた酵素の誤作動と酵素反応制御

研究課題

研究課題/領域番号 16J02846
研究機関名古屋大学

研究代表者

小野田 浩宜  名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード基質認識 / シトクロムP450 / ペルオキシゲナーゼ / 酸化酵素 / ヘム蛋白質 / 鍵と鍵穴理論 / 分子認識 / α-酸化
研究実績の概要

多くの生体触媒は、特定の原料を効率的に目的の分子へ変換する為に、高い基質特性を示す。この高い基質特異性により、生体触媒の汎用的な応用が制限されていた。私は、過酸化水素を用いて長鎖脂肪酸を特異的に酸化するCYP152B1を、酢酸水溶液中で扱うだけで、長鎖脂肪酸とは構造の異なる非天然基質の酸化反応を触媒する「基質誤認識システム」を報告していた。本研究では、「汎用的な基質誤認識システム」の開発を目指した。
2017年度までに、好熱性細菌Exiguobacterium sp. AT1bから発見されたCYP152N1の発現系、精製手法の確立と、結晶構造の解析に成功した。この酵素が、過酸化水素を等量的に用いて、1分間あたり1900回転の速さで長鎖脂肪酸のα-位を(S)-選択的に水酸化することを2017年度に報告した。CYP152N1は、脂肪酸特異的なペルオキシゲナーゼであるCYP152A1やCYP152B1と同様に、長鎖脂肪酸のカルボキシル基を認識するので、長鎖脂肪酸以外の基質を酸化することができない。私達は、CYP152B1の活性部位近傍にカルボキシル基を持つグルタミン酸を変異導入することで、A245E変異体が「グルタミン酸のカルボキシル基を長鎖脂肪酸のカルボキシル基と誤認識」し、長鎖脂肪酸以外の基質を酸化する事を2016年度に報告していた。2018年度は、活性部位にグルタミン酸を導入する手法の汎用性を確認するために、CYP152A1 A246E変異体とCYP152N1 A243E変異体を作成し、チオアニソールのスルホキシド化活性とスチレンのエポキシ化活性を評価した。いずれの変異体もスルホキシド化活性とエポキシ化活性を示した。特にCYP152N1 A243E変異体は、野生型の長鎖脂肪酸水酸化反応の触媒活性活性より効率的な、スルホキシド化反応の触媒活性を示した。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 脂肪酸特異的ペルオキシゲナーゼを利用した非特異的ペルオキシゲナーゼの反応場開発2019

    • 著者名/発表者名
      小野田浩宜、荘司長三、杉本宏、城宜嗣、渡辺芳人
    • 学会等名
      第8回名古屋大学シンクロトロン光研究センターシンポジウム
  • [学会発表] α-Oxidative Decarboxylation Reaction of Fatty Acid Catalyzed by Fatty Acid Specific Peroxygenase2018

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Onoda, Osami Shoji, Kazuto Suzuki, Hiroshi Sugimoto, Yoshitsugu Shiro, Yoshihito Watanabe
    • 学会等名
      9th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] シトクロムP450と過酸化水素を用いた脂肪酸―炭素減炭反応機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      小野田浩宜、荘司長三、杉本宏、域宜嗣、渡辺芳人
    • 学会等名
      第18回蛋白質科学会年会
  • [学会発表] 脂肪酸特異的ペルオキシゲナーゼの基質結合状態を模した非特異的ペルオキシゲナーゼの開発2018

    • 著者名/発表者名
      小野田浩宜、荘司長三、杉本宏、城宜嗣、渡辺芳人
    • 学会等名
      第12回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] 脂肪酸特異的ペルオキシゲナーゼの反応場解析に基づいた基質寛容性の拡張2018

    • 著者名/発表者名
      小野田浩宜、荘司長三、杉本宏、城宜嗣、渡辺芳人
    • 学会等名
      第31回生物無機化学夏季セミナー

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公開日: 2019-12-27  

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