今後の研究の推進方策 |
29年度は, 衝撃波圧縮を受けたガス雲の熱進化をone zone modelにより計算した. この手法では冷却過程や化学反応の過程を詳細に計算することができるが, 非一様な密度, 温度構造や乱流状態といった多次元の構造を調べることができない. 多次元の構造を扱うためには, 三次元流体計算により, 衝撃波圧縮を受けた低金属度ガス雲の熱進化を調べる必要がある. そのような先行研究では自己重力の効果を無視した計算を行っているため, 自己重力的収縮を始めるガス分裂片の形成までは調べられていない. また考慮している冷却過程や化学反応についても一部不足が認められる. そこで今後は, 第二世代星の母体となるガス雲の形成過程やその性質を明らかとするために, 衝撃波圧縮を受けた低金属度ガス雲の熱進化を自己重力を考慮した多次元流体計算を用いて調べる. その際には詳細な冷却過程や化学反応の過程を考慮して計算を行う. 熱的不安定性に起因した非一様な密度, 温度構造, 及び乱流状態にある中で形成され, 自己重力収縮を始めるガス分裂片の質量を評価する.
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