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2016 年度 実績報告書

加速器ニュートリノ実験におけるCP対称性の破れの測定

研究課題

研究課題/領域番号 16J03052
研究機関京都大学

研究代表者

林野 竜也  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワードニュートリノ振動 / ニュートリノ反応断面積 / 検出器 / ニュートリノビーム
研究実績の概要

WAGASCI検出器の開発
WAGASCI(WAter Grid And SCIntillator) 検出器は全方向に感度を持つ水標的検出器とCH標的検出器を用いてミューオンニュートリノと水、CHの反応断面積比を3%という精度で測定し、T2K実験のニュートリノ反応モデル由来の系統誤差を7.5%から3%まで削減することが目的である。 私はWAGASCI検出器の制作、特にシンチレータの加工や格子状シンチレータの組立作業を担当した。WAGASCI検出器の水標的検出器のプロトタイプを完成させ、既存の検出器と組み合わせることで1-4GeV領域の水の反応断面積の測定を開始した。
ニュートリノ反応断面積の測定
ビーム軸上に置かれた検出器Proton moduleとINGRIDを用いて反ミューオンニュートリノとCHの荷電カレントパイオンレス散乱反応の測定を行う。この反応モードはT2K実験のシグナルモードであり、反応モデルの理解はT2K実験にとって重要である。平成28年度の6月までに十分な統計をため、現在解析中である。イベント選択方法を確立し系統誤差の殆どの項目を見積もり終えた。
ニュートリノビームの測定
T2K実験の測定においてはニュートリノビームの不定性を抑えることが重要である。T2K実験に置いては前置検出器INGRIDをニュートリノビームの強度と方向を用いて測定している。私は、今年度のINGRIDのデータ取得及びニュートリノビーム、反ニュートリノビームの強度・方向の測定を主導した。この結果は、T2K実験のもっとも重要な解析であるニュートリノの振動解析のインプットとして用いられる。得られたビームデータを迅速に解析し、ビーム方向は0.2mrad以下の精度で測定できていることを示しビーム方向の不定性を十分に低く抑えることが出来た。これによってニュートリノの振動解析の論文に貢献した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

WAGASCI検出器の開発
私はWAGASCI検出器の制作、特にシンチレータの加工や格子状シンチレータの組立作業を担当した。WAGASCI検出器の水標的検出器のプロトタイプを完成させ、既存の検出器と組み合わせることで1-4GeV領域の水の反応断面積の測定を開始した。さらに水標的検出器のシンチレータの加工を完了し、検出器の組み立てが進んでいる。
ニュートリノ反応断面積の測定
ビーム軸上に置かれた検出器Proton moduleとINGRIDを用いて反ミューオンニュートリノの荷電カレントパイオンレス散乱反応の測定を行う。平成28年度の6月までに十分な統計をため、現在解析中である。検出器のオペレーションを含め中心的な役割を果たしている。イベント選択方法を確立し系統誤差の殆どの項目を見積もり終えた。
ニュートリノビームの測定
私は、今年度のINGRIDのデータ取得及びニュートリノビーム、反ニュートリノビームの強度・方向の測定を主導した。この結果は、T2K実験のもっとも重要な解析であるニュートリノの振動解析のインプットとして用いられる。得られたビームデータを迅速に解析し、ビーム方向は0.2mrad以下の精度で測定できていることを示しビーム方向の不定性を十分に低く抑えることが出来た。これによってニュートリノの振動解析の論文に貢献した。

今後の研究の推進方策

WAGACI検出器の開発
WAGASCI検出器は2017年の夏までにインストールを完了し、秋以降に予定されるビームタイムからデータを取得する予定である。
ニュートリノ反応断面積の測定
ビーム軸上に置かれた検出器Proton moduleとINGRIDを用いて反ミューオンニュートリノとCHの荷電カレントパイオンレス散乱反応の測定を行う。平成29年度前半に解析を完了し、今年度中に論文を投稿する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Measurement of Muon Antineutrino Oscillations with an Accelerator-Produced Off-Axis Beam2016

    • 著者名/発表者名
      K. Abe et al. (T2K Collaboration)
    • 雑誌名

      Phys. Rev. Lett.

      巻: 116 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.181801

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] First combined analysis of neutrino and antineutrino oscillations at T2K2016

    • 著者名/発表者名
      K. Abe et al. (T2K Collaboration)
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: - ページ: -

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] “前置ニュートリノ検出器Proton Moduleを用いた反ミューオンニュートリノのCC0π反応断面積測定”2016

    • 著者名/発表者名
      林野竜也
    • 学会等名
      日本物理学会2016年秋季大会
    • 発表場所
      宮崎大学
    • 年月日
      2016-09-20 – 2016-09-20
  • [学会発表] “Anti-neutrino beam direction and intensity measurement with the T2K on-axis near Detector”2016

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Hayashino for the T2K collaboration
    • 学会等名
      The XXVII International Conference on Neutrino Physics and Astrophysics
    • 発表場所
      Imperial College London, South Kensington, London, United Kingdom
    • 年月日
      2016-07-04 – 2016-07-09
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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