研究課題
本年度は一次元ボース気体を記述するLieb-Liniger模型を用いて(I)再帰時間の時間スケールの計算、および(II)ダークソリトンの構成法について研究した。(I)再帰時間の時間スケールの計算Lieb-Liniger模型の非平衡ダイナミクスは、準定常状態を介して再び状態が初期状態に戻る再帰現象が生じることが分かっている。これまで再帰時間の時間スケールの解析は数値的な評価しか行われていなかったが、本研究では解析的に時間スケールを計算し、再帰時間が弱結合領域および強結合領域において多項式時間で表されることを示した。(II)ダークソリトンの構成法Lieb-Liniger模型と古典ダークソリトンの分散関係の類似性から、Lieb-Liniger模型と古典ソリトンの関連が指摘され、Lieb-Liniger模型から量子ソリトンを構成できるのではないかと考えられてきた。本研究では、Lieb-Liniger模型のtypeII励起から量子ダークソリトンを構成する方法を提案した。また、2つのダークソリトンの衝突ダイナミクスを計算し、位相シフトが生じることを示した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Physics B: Atomic, Molecular and Optical Physics
巻: 51 ページ: 112001
10.1088/1361-6455/aabcdf