研究課題
ヒト一般住民集団のEWASの結果をふまえ、本年度は、マウスを使用し、それぞれの遺伝子領域について、個体追跡や臓器特異性など解析した。その結果、Elovl2とKlf14に関しては、ヒトで観察された年齢依存的なメチル化の増加に置いて臓器特異性を検出したが、Fhl2については検出しなかった。さらに、Klf14のみメチル化上昇と相関する発現の減少が認められたため、肥満型糖尿病モデル(db/db)マウスと野生型(+/db)マウス及びC57BL/6jマウスに高脂肪食負荷を行い、分子生物学的手法によってKLF14遺伝子領域のエピジェネティックバイオマーカーとしての可能性を検討することとした。使用したマウスそれぞれのDNAメチル化変化を大脳、小脳、心臓、肺、脾臓、肝臓、膵臓、腎臓、精巣上体白色脂肪(脂肪組織)、大腸、血液について臓器別に検討した。その結果、腎臓、肺、脾臓、脂肪組織、大腸、血液が肥満型糖尿病と有意に相関してDNAメチル化レベルが上昇した。同時に、加齢の影響を検証するために4週令と50週令を比較した。その結果、脂肪組織と血液は肥満型糖尿病と加齢両方の影響を受け易いことが示唆された。さらに我々は、q-PCR法にて白色脂肪と血液におけるKlf14遺伝子と関連遺伝子の発現を検討したところ、DNAメチル化レベルの解析結果と相関した変化を認めた。それら関連遺伝子には、Klf14下流の遺伝子のみならず、炎症性の遺伝子も含まれており、Klf14のメチル化上昇に伴い、脂肪組織の炎症が上昇することがわかった。そこで、フローサイトメトリーを使用し、脂肪組織の特に間質細胞について炎症性解析を実施した。その結果、Il12をはじめとした炎症性サイトカインの上昇を認めた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 497 ページ: 908~915
10.1016/j.bbrc.2017.12.104
Human Genomics
巻: 11 ページ: -
10.1186/s40246-017-0106-6