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2017 年度 実績報告書

運動論方程式における解の数理解析

研究課題

研究課題/領域番号 16J03963
研究機関京都大学

研究代表者

坂本 祥太  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワード偏微分方程式 / ボルツマン方程式 / 解の存在と一意性理論 / ベゾフ空間
研究実績の概要

今年度は7月から8月にかけて香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)の段仁軍(Duan Renjun)教授を訪問し、前年度に行った定常解まわりのボルツマン方程式の解の存在と一意性理論を深化させる研究を主に行った。
ボルツマン方程式は数学的には球面上と全空間での積分で定義される積分作用素を持つ微分積分方程式である。前年度の森本芳則教授との共同研究では、球面上・全空間それぞれの関数として積分核が特異性を持つ場合に、Chemin-Lerner空間と呼ばれるベゾフ空間と通常のL^pノルムを組み合わせた混合型のノルムが定義する関数空間において、方程式の解の存在と一意性、解の非負値性(初期条件が非負ならば解も非負であること)を証明した。
Duan教授との研究では、積分核は球面上の関数としては特異ではないが、全空間の関数としては強い(特に森本教授との共同研究で扱ったものより十分強い)特異性を持つケースを扱った。このような場合では、上の先行研究で扱ったような関数空間と同じものを使うのでは解が構成できないということがDuan教授との考察で判明したため、速度変数に関してL^2ベースでの議論であったのを重み付きL無限空間を用いることによってその困難を解消した。具体的には、重みの指数を高めることによって積分核の持つ特異性を吸収させ評価を閉じさせるというものである。このアイディアを先行研究の手法と組み合わせることによって、方程式の解の一位存在を証明することができた。この結果はKinetcis and Related Modelsに受理され2018年12月号に掲載予定である。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Solution to the Boltzmann equation in velocity-weighted Chemin-Lerner type spaces2018

    • 著者名/発表者名
      R.-J. Duan and S. Sakamoto
    • 雑誌名

      Kinetics and Related Models

      巻: 11-6 ページ: -

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Solution to the Boltzmann equation in velocity-weighted Chemin-Lerner type space2018

    • 著者名/発表者名
      坂本祥太
    • 学会等名
      若手のための偏微分方程式と数理解析
    • 招待講演
  • [学会発表] 重み付きChemin-Lerner型空間におけるボルツマン方程式の解2018

    • 著者名/発表者名
      段仁軍、坂本祥太
    • 学会等名
      日本数学会年会
  • [学会発表] 重み付きChemin-Lerner型空間におけるボルツマン方程式の解2017

    • 著者名/発表者名
      坂本祥太
    • 学会等名
      第43回発展方程式研究会

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公開日: 2018-12-17  

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