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2016 年度 実績報告書

蛋白質異常凝集の初期段階の解明・制御

研究課題

研究課題/領域番号 16J04145
研究機関岐阜大学

研究代表者

本田 諒  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード蛋白質 / 蛋白質異常凝集 / フォールディング / ミスフォールディング / アミロイド / プリオン
研究実績の概要

蛋白質の異常凝集はAlzheimer病、Parkinson病、Creutzfeldt-Jakob病などの神経変性疾患や、Ⅱ型糖尿病、白内障など多様な疾患の発症の原因とされている。しかしながら、異常凝集のメカニズムの大部分は未解明で、なおかつ、これらの疾患の根本的治療法もまだ確立されていない。本研究は、蛋白質の異常凝集のメカニズム解明及び治療法の模索を目標としたものである。
本年度は、まず、異常凝集を定量的に分析できる実験系の構築に取り組んだ。条件検討・最適化の結果、5つの異なる検出法(チオフラビンT蛍光、円二色性分光法、サイズ排除クロマトグラフィー、動的光散乱、電子顕微鏡)を用いて異常凝集を多面的に分析できるようになった。また、96ウェルプレートを用いた実験系も構築し、これによって、異常凝集反応の網羅的分析も可能となった。
次に、構築した実験系を用いて、様々な溶液条件におけるプリオン蛋白質の異常凝集反応を分析した。その結果、プリオン蛋白質の正常構造が不安定な溶液条件では、ミカエリスメンテン型の反応曲線が得られたのに対して、正常構造が安定である溶液条件においては、基質阻害型の反応曲線が得られた。この実験結果から、筆者は、正常型プリオン蛋白質に非競合的な異常凝集抑制作用があるとの仮説を提唱した(Ryo P. Honda and Kazuo Kuwata, Scientific Reports, 2017)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

蛋白質異常凝集を追跡する実験系の確立に成功し、なおかつ、この実験系を用いてプリオン蛋白質の異常凝集機構の一部を解明できたため。

今後の研究の推進方策

今後は、以下の事項に関して研究を進めていく。
1.本年度に確立した実験系を用いて、異常凝集の促進又は抑制因子を検索する。
2.正常型プリオン蛋白質が、生体内でも、異常凝集を抑制する効果があるかを調べる。
3.異常凝集を追跡するプローブの数をさらに増やし、より詳細な分析ができるようにする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] The native state of prion protein (PrP) directly inhibits formation of PrP-amyloid fibrils in vitro.2017

    • 著者名/発表者名
      Ryo P. Honda and Kazuo Kuwata
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 562

    • DOI

      10.1038/s41598-017-00710-x

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 蛋白質ミスフォールディングの速度論的解析2017

    • 著者名/発表者名
      本田 諒
    • 学会等名
      第6回岐阜構造生物学・医学・論理的創薬研究会シンポジウム
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2017-03-14 – 2017-03-14
  • [学会発表] Kinetics and mechanism of amyloid formation by prion protein.2017

    • 著者名/発表者名
      Ryo P. Honda
    • 学会等名
      New Frontiers in Protein Misfolding and Aggregation
    • 発表場所
      Osaka
    • 年月日
      2017-01-26 – 2017-01-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Folding and misfolding pathways of prion protein.2016

    • 著者名/発表者名
      Ryo P. Honda and Kazuo Kuwata
    • 学会等名
      Prion 2016
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2016-05-10 – 2016-05-13
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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