研究実績の概要 |
Regular nilpotent Hessenberg多様体Hess(N,h)については,原田芽ぐみ氏(McMaster大学),Federico Galetto氏(McMaster大学),Lauren DeDieu氏(Minnesota大学)と共同研究を行った.まず我々はHess(N,h)が局所完全交差であることを証明した.さらに,Hess(N,h)がregular semisimple Hessenberg多様体の平坦退化であり,かつそのファイバーがreducedであることを示した.また,この結果の応用として次の結果を得た;Hess(N,h)は一般に特異的な射影多様体であるが,その有理係数のコホモロジー環はPoincare双対代数になっているので体積多項式を用いてコホモロジー環を記述することができるが,実はこの体積多項式がHess(N,h)のPlucker埋め込みの下でのNewton-Okounkov体の体積に他ならないことを証明した. Regular semisimple Hessenberg多様体Hess(S,h)については,Jeremy Lane氏(Toronto大学)と藤田直樹氏(東京工業大学)との共同研究にて,Plucker埋め込みを与える直線束L_λの大域切断の空間について,特にそこへのトーラス表現の指標公式を調べており,λの各基本ウェイトの係数がある程度大きいときは,Weylの指標公式の自然な一般化がHess(S,h)について成り立つことが分かった.さらに,枡田幹也氏(大阪市立大学),堀口達也氏(大阪市立大学)との共同研究にて,h=(h(1),n,...,n)というケースについて,Hess(S,h)の(整係数の)コホモロジー環を具体的に決定した.特に,環としての生成元を見つけ出し,それらの関係式を具体的に記述した.
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