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2016 年度 実績報告書

リプログラミングを用いた大腸発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16J04984
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

川﨑 健太  慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワードオルガノイド / リプログラミング / 大腸癌 / エピジェネティック
研究実績の概要

オルガノイドという体外での上皮培養技術の確立ならびにCRISPR/Cas9のゲノム編集技術はより精巧な疾患モデルの作成という観点で著しい進歩を示した. その2つの技術を用いて, 大腸癌の発癌機構の解明に取り組んでいる。大腸癌の発癌機構は大腸正常上皮に遺伝子変異が順に入るadenoma-carcinoma sequenceが提唱されている。その仮説に基づき、我々の研究室でも5つの主要遺伝子変異を正常大腸上皮オルガノイドへ導入することで再現を試みた. しかし, 5つの変異をもっても人工大腸癌の作成には至らなかった. 本研究では, 主要遺伝子変異に続くエピジェネティックな変化が大腸上皮の悪性化には重要と考え, その変化を起こす転写因子の同定を試みた.
今年度は, 正常大腸上皮や大腸癌のアレイデータや染色体の異常のデータを用いることで悪性化のメカニズムに関わると想定される転写因子の抽出ならびにベクターの作成を行った. また、腺腫から癌へのエピジェネティックな変化のアッセイ系となる仮説をたて, レポーターシステムの作製を行った.
今後本アッセイ系に転写因子を導入することで, 大腸癌へのリプログラミングを起こす転写因子の解明を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は当初計画されていたin vitroの系での検討ならびにアッセイ系の作成を行った. 該当する転写因子の抽出, その転写因子の作成ならびにリプログラミングによる悪性化の指標となりうるレポーターの作成は今後のin vivoのマウスでの動物移植アッセイへつながるステップの達成と考えられる.

今後の研究の推進方策

今後は全ての転写因子を導入したオルガノイドを作成し, マウスに移植, 肝転移の出現ならびに遺伝子発現の変化に関して解析する. 具体的にはそれぞれの転移巣より細胞を抽出し, オルガノイドを個々に作製, 次世代シークエンスやマイクロアレイ, Primary Component Analysisで共通する因子の検索を行う. 転移が認められない場合には同定した因子以外の可能性の検討や転写因子以外の要素に関する検討が必要と考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A Colorectal Tumor Organoid Library Demonstrates Progressive Loss of Niche Factor Requirements during Tumorigenesis.2016

    • 著者名/発表者名
      Fujii M, Shimokawa M, Date S, Takano A, Matano M, Nanki K, Ohta Y, Toshimitsu K, Nakazato Y, Kawasaki K, Uraoka T, Watanabe T, Kanai T, Sato T.
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell

      巻: 18 ページ: 827-38

    • DOI

      10.1016/j.stem.2016.04.003

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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