| 研究課題/領域番号 |
16J05493
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
飯國 慎平 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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| キーワード | Radiotheranostics / 固形腫瘍低酸素領域 / 炭酸脱水酵素IX |
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| 研究実績の概要 |
新規がんTheranostics用薬剤の分子設計として、Radiotheranosticsの概念を用いることとした。Radiotheranosticsでは、同一の基本構造を有する放射性化合物を用いることにより核医学イメージングと放射線治療を容易に組み合わせることができる。薬剤の標的として、がん低酸素領域に特異的に高く発現することが知られている炭酸脱水酵素-IX (CA-IX)を選択し、CA-IX標的放射性金属錯体を設計・合成した([111In/90Y]US2)。[111In]US2について、CA-IX高発現・低発現腫瘍を有するモデルマウスを用いたin vivo CA-IX親和性評価を行い、CA-IXを標的とした単光子放出断層撮像(SPECT)イメージングプローブとしての有用性評価を行った。さらに、CA-IX高発現腫瘍移植モデルマウスを用いて、[90Y]US2のがん治療効果について評価した。
CA-IX高発現ならびに低発現腫瘍を有するモデルマウスに[111In]US2を投与したところ、[111In]US2はCA-IX高発現腫瘍に対する高い特異的集積性を示し、炭酸脱水酵素阻害剤の共投与によりその集積は有意に低減した。モデルマウスを用いて[111In]US2によるSPECT/CT撮像実験を行ったところ、CA-IX高発現腫瘍を特異的かつ明瞭にイメージングすることに成功した。
CA-IX高発現腫瘍移植モデルマウスに[90Y]US2を投与したところ、生理食塩水投与群と比較して、腫瘍成長の有意な遅延が認められた。
以上の結果より、[111In]US2および[90Y]US2を用いることにより、CA-IXを標的としたがんのTheranosticsを達成し得ることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
固形腫瘍における低酸素領域を標的としたTheranostics用薬剤の開発を目的として、炭酸脱水酵素-IX結合放射性金属キレートを作製し、治療実験を行い良好な結果が得られ、計画書通りに進捗しているため。
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| 今後の研究の推進方策 |
SPECTよりも高い解像度のイメージングが期待できる陽電子断層撮像(PET)イメージングを可能とする68Gaを放射性金属として導入した[68Ga]US2を作製し、CA-IX標的PET用イメージングプローブとしての評価を行う予定である。
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