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2018 年度 実績報告書

粗視化分子モデルを用いたキラル液晶相の安定化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16J06012
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

野澤 拓磨  慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード液晶 / 分子シミュレーション / 相転移 / 核生成 / 計算高速化
研究実績の概要

本研究では,キラリティが誘起するナノ構造液晶の特性を分子レベルで明らかにし,次世代の液晶デバイス開発の設計指針を示すことを目的としている。今年度は,初年度及び昨年度に作成したGay-Berneモデルのモンテカルロシミュレーションコードを用いて,キラリティとダイポールが液晶分子の相転移に与える影響について研究した。キラリティによってスメクチック相の形成が阻害されること,またそのような場合には弱い層構造を持ったコレステリック相が出現することなどを明らかにした。また,発展的な内容として液晶分子の液滴核生成シミュレーションを行い,液晶分子の核生成は非常に高い配向状態から始まり,一度分子配向が乱れた状態を経た後に,ネマチックな液滴が生成されることを明らかにした。これらの研究成果について纏め,査読付きの国際学術論文に2件報告した。
実験系を再現するAtomisticなモデルを用いて上述の液晶相転移や核生成を研究するためには,モデルの点電荷同士の相互作用を高速に計算する必要がある。今年度はLinear-combination-based isotropic periodic sum (LIPS)法と呼ばれる高速に点電荷同士の相互作用を計算する手法において,高速フーリエ変換を組み合わせた計算方法を提案し,水バルクや気液界面系における精度や計算速度について調べた。これらの結果については査読付き国際学術論文へ第2著者として1件報告した。
また,上述の研究内容をさらに発展させるために,University of the Philippines Diliman校のRicky Nellas教授とInstitute of Pharmaceutical and Structural BiologyのMatthieu Chavent博士を訪問し,液晶の相転移や核生成における解析方法についてディスカッションを行った。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Ordering in clusters of uniaxial anisotropic particles during homogeneous nucleation and growth2019

    • 著者名/発表者名
      Nozawa Takuma、Brumby Paul E.、Ayuba Sho、Yasuoka Kenji
    • 雑誌名

      The Journal of Chemical Physics

      巻: 150 ページ: 054903~054903

    • DOI

      10.1063/1.5064410

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Central Longitudinal Dipole Interactions on Chiral Liquid-Crystal Phases2018

    • 著者名/発表者名
      Nozawa Takuma、Brumby Paul、Yasuoka Kenji
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 19 ページ: 2715~2715

    • DOI

      10.3390/ijms19092715

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A fast and accurate computational method for the linear-combination-based isotropic periodic sum2018

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Kazuaki Z.、Nozawa Takuma、Yasuoka Kenji
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 11880~11880

    • DOI

      10.1038/s41598-018-30364-2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コレステリック液晶中に現れるスメクチック構造の研究,第32回分子シミュレーション討論会2018

    • 著者名/発表者名
      野澤拓磨,Paul E. Brumby, 泰岡顕治
    • 学会等名
      第32回分子シミュレーション討論会
  • [学会発表] FDPSを通してアクセラレータを利用した分子動力学シミュレーションコードの開発2018

    • 著者名/発表者名
      野村昴太郎,野澤拓磨,岩澤全規, 行方大輔, 似鳥啓吾, 阿由葉翔, 泰岡顕治, 牧野淳一郎
    • 学会等名
      第32回分子シミュレーション討論会
  • [学会発表] アルカン分子構造が液滴均一核生成に与える影響,第32回分子シミュレーション討論会2018

    • 著者名/発表者名
      阿由葉翔, 野澤拓磨, 徐東郁,野村昴太郎, 泰岡顕治
    • 学会等名
      第32回分子シミュレーション討論会
  • [学会発表] ナノチューブ内におけるコレステリック液晶の配向に関する分子シミュレーション2018

    • 著者名/発表者名
      辻之上弘晃 , 野澤拓磨, 荒井規允
    • 学会等名
      第32回分子シミュレーション討論会

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公開日: 2019-12-27  

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