研究課題/領域番号 |
16J06743
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平原 秀一 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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キーワード | 計算量理論 / コルモゴロフ記述量 / 回路最小化問題 |
研究実績の概要 |
本年度の主要な研究結果として、コルモゴロフ記述量を最小化する問題(MKTP)に対する困難性の解析がある。具体的にはRandom 3SATという解くのが困難であると強く信じられている問題よりもMKTPの方が難しい、ということを示した。この成果により、MKTPを解くことが非常に困難であるということに対する強い証拠を与えた。特にMKTPがcoNPに属さない、という初めての強い証拠を与えた。この成果は計算量理論のトップ会議(Computational Complexity Conference; CCC 2017)に採択され発表を行った。 また、MFCS 2017で発表した論文において、最小の回路サイズを近似する問題がNPの中間の問題(容易には計算できないが、計算できないことについて強い証拠を与えられないような問題)であることを示した。(PとNPが異なるという仮定のもとで)人工的なNPの中間の問題が存在する、ということは1975年にすでに知られていたが、自然なNPの中間の問題を構成することは今まで未解決であった。我々の成果は初めての自然のNPの中間の問題を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も計算量理論のトップ会議に論文が採択されたため。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究で得られた知見を生かし、計算量理論の難問に挑む。
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