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2017 年度 実績報告書

新規スピントルクを利用した磁壁移動型メモリーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16J06745
研究機関京都大学

研究代表者

谷口 卓也  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワードスピントロニクス / 磁壁 / 電流駆動磁壁移動
研究実績の概要

本研究課題では、次世代不揮発磁気記録素子として新規スピントルクであるスピンホールトルクを用いた(A)省電力・(B)大容量な磁壁移動型メモリーの研究に取り組んでいる。
(A)前年度より高周波電流による共鳴現象を利用した閾電流密度の低減に取組んでいる。前年度では磁壁の振動周波数が実験可能な周波数帯にあることをシミュレーションを用いて明らかにした。そこで、本年度では実際に磁壁を試料中に導入し、まず高周波電流による共鳴現象を利用した閾磁場の減少を検出することを試みた。ここで閾磁場とは磁壁が動くために最低限必要な外部磁場のことである。その結果、高周波電流によるジュール熱の影響が大きく、共鳴現象による閾磁場の減少を観測することに失敗した。加えて、ベクトルネットワークアナライザーを用いて磁壁の共鳴現象の検出を試みた。しかし、本実験においても有意な結果は得られなかった。
(B)前年度では、大容量な磁壁メモリーに向けて、室温下で磁壁位置が熱によって揺らぐ大きさを調査し、最大磁壁密度の調査に必要な磁壁間隔距離の指標を得た。今年度では実験と考察を進め、更に、熱活性磁壁移動現象を説明する理論の重要な仮定である多様な長さの磁壁セグメントが確かに存在するということも明らかにした。熱活性磁壁移動現象は磁壁位置の熱安定性を評価する際の一般的な調査対象であるため、熱安定性の見積もりに用いられる理論は確固たるものである必要がある。今年度で得られた研究成果は理論を実験的に裏付ける成果であり、応用的にも学術的にも大変価値がある。
本研究により、新規スピントルクを利用した磁壁移動型メモリーの研究として当初予定していた計画は遂行できなかったものの、磁壁移動型メモリーというより大きな枠組みにおける重要な知見が得られた。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 欠陥間を移動する磁壁の観測Ⅱ2018

    • 著者名/発表者名
      谷口卓也、Kim Kab-Jin、小山知弘、千葉大地、小野輝男
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] Observation of domain wall segment jump among disorders2018

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi, K.-J. Kim, T. Koyama, D. Chiba, and T. Ono
    • 学会等名
      Symposium on Surface and Nano Science 2018
  • [学会発表] Observation of domain wall segment jump among disorders2017

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi, K.-J. Kim, T. Koyama, D. Chiba, and T. Ono
    • 学会等名
      JSPM International Conference on Powder and Powder Metallugy
  • [学会発表] Observation of domain wall segment jump among quenched disorders2017

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi, K.-J. Kim, T. Koyama, D. Chiba, and T. Ono
    • 学会等名
      Intermag
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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