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2017 年度 実績報告書

双極性障害発症における脂質代謝酵素ジアシルグリセロールキナーゼηの役割と機能

研究課題

研究課題/領域番号 16J06865
研究機関千葉大学

研究代表者

米野井 優  千葉大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワード双極性障害 / ジアシルグリセロールキナーゼ / セロトニントランスポーター / リゾホスファチジン酸 / 多価不飽和脂肪酸
研究実績の概要

今年度は、「1. ジアシルグリセロールキナーゼ (DGK) η-ノックアウト (KO) マウスのマイクロアレイ解析」、「2. DGKηの欠損がセロトニン系に与える影響」、「3. DGKη欠損が脳のPA分子種量に与える影響」という課題に取り組んだ。
1.では、DGKηの欠損により複数遺伝子の発現量が変化する系の同定を行った。その結果、向神経活性リガンド-受容体相互作用系、炎症性腸疾患系、血液凝固・補体系、グリセロリン脂質代謝系の4つが該当した。そこで、これらの系で変化が生じている遺伝子について検討を行ったところ、「セロトニン系」、「多価不飽和脂肪酸 (PUFA) 代謝系」という2つのキーワードが浮上した。これらは、昨年度までの研究結果を支持する結果と言える。
2.では、セロトニントランスポーター (SERT) により脳内からセロトニンが放出される「血中」と、セロトニンの95 %以上が産生される「小腸」のセロトニン濃度を測定した。その結果、血中では濃度上昇が見られたものの、小腸では変化が見られなかった。これらの結果と昨年度までの結果を合わせて考えると、DGKηの欠損により生じる異常はセロトニンの単純な増減ではなく、その循環の変調であることが考えられる。こうした循環の変調が局所的な濃度異常を引き起こし、DGKη-KOマウスのそう様行動を惹起している可能性があると考えられる。
3.では、DGKη-KOマウスの脳のPA分子種量の測定を行った。その結果、PUFAを含有するPA分子種が減少することが明らかとなった。これは昨年度に得られていた神経芽細胞腫由来のNeuro-2a細胞を用いた実験の結果と一致する結果であった。双極性障害 (BD) の有力な原因遺伝子として脂肪酸不飽和酵素が同定されていることからも、DGKηがこうしたPUFAの代謝を介して、BDに関与している可能性があると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Abnormalities of the serotonergic system in diacylglycerol kinase δ-deficient mouse brain2018

    • 著者名/発表者名
      Lu Qiang、Komenoi Suguru、Usuki Takako、Takahashi Daisuke、Sakane Fumio
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 497 ページ: 1031~1037

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2018.02.165

    • 査読あり
  • [学会発表] The role and function of diacylglycerol kinase η in pathogenesis of bipolar disorder.2017

    • 著者名/発表者名
      Suguru Komenoi, Takeshi Isozaki, Qiang Lu, Fumio Sakane
    • 学会等名
      58th International conference on the bioscience of lipids
    • 国際学会
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼη欠損による躁様行動惹起の分子メカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      米野井 優、坂根 郁夫
    • 学会等名
      生命科学系学会合同年次大会 (ConBio2017)

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公開日: 2018-12-17  

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