研究実績の概要 |
カンボジアの家計の分野では、家計の外貨借り入れの決定要因について、カンボジアの家計部門の個票データを用いてカンボジアの研究者と共同研究を行った。その研究結果はJICA研究所のWorking Paperシリーズで発表した(Aiba, Daiju, Ken Odajima, & Khou Vouthy.2017)。この論文は、初めてカンボジアの家計を対象に、借入時の通貨選択に影響する要因を実証的に明らかにした論文である。特に、リスクヘッジ行動がカンボジアの家計では外貨選択の要因として大きく影響しており、他国での家計の外貨借り入れ行動と異なることを明らかにしている。なお現在、同論文の国際的な学術雑誌への投稿を準備している。 カンボジアの企業の分野では、一橋大学の奥田英信教授と共同研究を実施した。その成果は国際学会であるEast Asian Economic Associationにて口頭で発表を行った。(Okuda, Hidenobu, & Aiba Daiju, 2016)。また、同論文の日本語版を一橋大学経済学研究科のWorking paperとして発表した。(奥田英信, & 相場大樹. 2016.)本論文では、カンボジアの企業の個票データを用いて、ドル化した経済での企業の資本構成の決定要因を推計したものであり、カンボジアの企業は経済のドル化により、外貨建ての収入の比率も企業の資本構成に影響していることを明らかにした。。現在、国際学会でのコメントをもとに改訂中であり、国際的な学術雑誌への投稿を準備している。 さらに企業部門のドル化ついては、実証的にどのような企業でドル化が進行しているかをカンボジアの現地中央銀行の研究者とも共同で研究を行い、その成果を一橋大学経済学部の大学紀要で発表した。(Aiba, Daiju, & Ranareth Tha.2017)
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