研究課題
我々は以前にUFM1システムのE1酵素であるUBA5の複合ヘテロ接合体変異が小頭症やてんかんを伴う遺伝性重度発達障害を引き起こすことを明らかにした。今回、我々はUFM1のホモ接合体変異ないしはUFM1のE2酵素であるUFC1のホモ接合体変異によってもUBA5の変異と同様の遺伝性重度発達障害を引き起こすことを明らかにした(Nahorski et al.,Brain in press)。同定した変異をin vitroとin vivoで調べたところUFM1の変異 (R81C)はE1中間体を形成する能力が減弱しており、UFC1の変異 (R23Q、T106I)はE2中間体を形成する能力が減弱していることを明らかにした。また、患者由来のリンパ芽球を解析するとUFM1の中間体の減少とUFM1化タンパク質の減少が確認された。したがって、UFM1システムを構成するUFM1、UBA5、UFC1いずれの遺伝子の変異によってもUFM1システムが減弱することで遺伝性重度発達障害を引き起こすことを明らかにした。UFM1システムの減弱による引き起こる発達障害の分子メカニズムはまだ未解明である。そこで、さらなる分子メカニズムを明らかにするためにヒトの変異を模倣したUba5の複合ヘテロ接合体変異マウスを作出した。今後、この変異マウスを解析し、UFM1システムの減弱により引き起こる発達障害の原因を明らかにしていく予定である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncogenesis
巻: 7 ページ: -
10.1038/s41389-017-0018-2.
Brain
巻: 印刷中 ページ: 印刷中