研究課題
本研究の目的は,細胞内において標的DNAがどのように検索されるかという機構の理解を進めることである.2016年度と2017年度には,生細胞クロマチンの超解像イメージングと,転写因子1分子イメージングの開発を進め,クロマチンとタンパク質によるDNA情報検索に関する理解を深めてきた.それらの観察の結果,クロマチンの密な構造(クロマチンドメイン)が,核空間における転写因子による検索可能領域の限定に重要であることが示唆された.2018年度は,さらに踏み込んだ標的DNA検索の研究を行うため,ハーバード大学のNancy Klecknerラボに滞在し,減数分裂期における相同染色体検索の研究を行ってきた.①減数分裂期で,「いつ」「どのように」相同染色体が相互作用し,②「どのように」相同配列を検索するかについて明らかにすることを解くべき問題として設定した.この問題にアプローチするために,出芽酵母において,減数分裂期におけるプログラムDSB(DNA二本鎖切断)が比較的高い頻度で起きるホットスポット周辺のクロマチンを蛍光タンパク質によって染色し,その領域がお互いをどのように検索しているのかについて2色ライブセルイメージを行なった.様々な試行錯誤を繰り返した結果,減数分裂期中のDSBホットスポットの動きを追跡することが可能となった.その結果,相同染色体間の減数分裂前後における相互作用を観察することができた.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Cell Biology
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https://doi.org/10.1083/jcb.201811090