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2017 年度 実績報告書

定量プロテオミクスによる細胞若返りの全容解明

研究課題

研究課題/領域番号 16J07398
研究機関東京工業大学

研究代表者

杉山 伸樹  東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード出芽酵母 / 不均等分配 / セプチン / 小胞体拡散障壁 / ミトコンドリア分配 / 細胞伸長
研究実績の概要

前年度に行った新生・既存タンパク質分配のプロテオーム解析から、細胞壁タンパク質、細胞膜小胞体接着部位タンパク質、細胞膜膜貫通タンパク質が不均等分配されやすいことを明らかにした。
さらに誘導性プロモーターや光褪色後蛍光回復法(FRAP)を用いて、タンパク質の挙動を蛍光観察により調べることで、タンパク質の分配の機構を調べた。セプチンは細胞膜、小胞体膜、核外膜に局在するタンパク質の動きを制限することが知られているが、その機構は不明であった。セプチン依存的に不均等分配される小胞体-細胞膜接着部位のタンパク質に注目して実験を行い、従来考えられてきた膜タンパク質の拡散障壁ではなく、セプチン依存的な細胞膜結合小胞体の分断により、小胞体-細胞膜接着部位や小胞体のタンパク質の動きが制限されていることを明らかにした。
プロテオーム解析により、細胞膜タンパク質は膜貫通ドメインを持つと不均等分配されやすいことが明らかになったが、中には例外的な挙動を示すものもあった。蛍光顕微鏡観察によりその機構を調べ、「細胞膜に結合するNum1は動かない巨大複合体を形成して母細胞に留まること」、「細胞膜t-SNAREのSso2は母細胞に留まるのに対し、パラログのSso1はエンドサイトーシスを介したリサイクルにより娘細胞へ運搬されること」を明らかにした。また、t-SNAREの分配制御が細胞伸長や酢酸耐性に関与する可能性を示すデータが得られており、現在解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞若返りの機構の一端を担うとされるセプチンによる小胞体拡散障壁を含む、複数の不均等分配・均等分配機構を明らかにできた。

今後の研究の推進方策

同定されたタンパク質の分配の意義を、寿命や細胞極性、ストレス耐性などの面から調べる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] セプチンによる小胞体拡散障壁形成機構の解明2017

    • 著者名/発表者名
      〇杉山伸樹,田中元雅
    • 学会等名
      ConBio2017

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公開日: 2018-12-17  

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