前年度に引き続き、プロテオーム解析の結果からタンパク質分配が関わる新規な生命現象の発見を目指した。その結果、Sso1の母細胞から芽への移動が、偽菌糸形成時の細胞伸長を促進し、また細胞壁ストレスに対する耐性を向上させていることを明らかにした。 また、プロテオーム解析で同定された不均等に分配されるNum1の分配機構について実験を行い、新生Num1がアクチン依存的に芽に運搬されることを発見した。Num1は核やミトコンドリアの分配を制御することが知られており、Num1の母細胞と芽への分配を厳密に制御することで、核やミトコンドリアの挙動を調節していると考えられる。 また、プロテオーム解析と、セプチンが細胞膜結合小胞体を分断することで小胞体-細胞膜接触部位のタンパク質の分配を制御するという発見と、Sso1に関する発見について補足的なデータを取得し、論文を投稿し、受理された。
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