研究課題/領域番号 |
16J08577
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
劉 海龍 立命館大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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キーワード | 運転行動分析 / 特徴抽出 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績が以下の2つがある.
1 連続的な運転行動データの特徴的な運転行動パターンを認識するのに役立つ運転行動の視覚化手法を提案した.運転行動は,様々なセンサを使用して測定することができる.多くの場合,多次元の運転行動データの各次元は,統計的には互いに独立していません.本研究では運転行動データが本質的な潜在特徴から生成することを仮定した.このように,運転行動データから本質的な特徴を抽出することは,運転行動のための効果的な視覚化方法を開発するために解決すべき課題である.このように,測定された冗長運転行動データから不可欠な隠れた特徴を抽出することは,運転行動のための効果的な視覚化方法を開発するために解決すべき課題である.この課題に対して,本研究ではDeep Sparse Auto Encoder(DSAE)を用いて,driving color map という運転行動の可視化手法を提案した.数値評価と感性評価よって,提案手法の有効性を検証した.この結果がIEEE Transactions on Intelligent Transportation Systemsで報告した.
2 運転行動時系列データの中に,外部環境およびセンサ障害によって引き起こされる欠損情報を含む.データの欠損は,運転行動の分節などのタスクに大きなマイナスの影響を与える.本研究では,1で使用したDSAEを拡張し,不動点法によるDSAE(DSAE-FP)を用いて,運転行動の分節における欠損情報のマイナスの影響を低減できることを示した.この内容はThe 5th IEEE Global Conference on Consumer Electronics(GCCE)で報告し,更にIEEE GCCE2016 Outstanding Paper Awardを受賞した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度では,研究が順調に進めることができた. まず,高速計算のため,graphics processing unit(GPU)による並列計算環境を構築した.安定な実験環境ができるようになった. そして,本研究課題の重要な部分である「運転行動データから潜在特徴の抽出と可視化」と「運転行動の特徴抽出における欠損情報のマイナス影響の低減」を中心に研究を行った.深層学習による潜在特徴の抽出に基づく運転行動の可視化について関連論文をIEEE Transactions on Intelligent Transportation Systemsに掲載した.また,IEEE Global Conference on Consumer Electronicsにおいて提案手法である欠損情報の復元に関して口頭発表を行った.これらの成果により,「IEEE GCCE2016 Outstanding Paper Award」及び,「立命館大学 2016年度博士研究発表会 優秀賞」を受賞した. 最後,運転画像から潜在視覚特徴を抽出するため,教師なし深層学習モデルを設計した.また,運転意図と周辺環境の因果関係を推定する部分の研究が順調に進んでいる. 以上により,今年度の研究が順調に進めることがで,研究成果は次年度の成果を生む重要な土台となったと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策について、下記のようになる. 1 「欠損情報を含む運転行動データから潜在特徴の抽出」について,IEEE Transactions on Intelligent Vehiclesに投稿する予定である. 2 運転動画と運転行動データから,未来の運転行動のシークエンスを予測する深層学習モデルを構築する. 3 予測される運転行動のシークエンスに対して,運転動画におけるよくアクティブになる深層学習モデルのニューロンを表示する実験を行う. 4 2と3の結果に基づく,運転転意図と周辺環境の因果関係を推定する部分の検証実験を行う.
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