研究実績の概要 |
本研究では、デュアルソースコーンビームCT(CBCT)を用いて、①四次元CBCTのマーカーレス間接型動体追尾照射への応用、②デュアルエナジーCBCTによる臓器位置照合の高精度化を行う。 ①登録症例18例に対し1-3回の4D-CBCT撮像を行い、同時に腹壁の上に置いた赤外線反射マーカにより体外の呼吸信号を得た。各透視画像上で金マーカを検出するアルゴリズムを開発・実装した。腫瘍に最も近い金マーカの動きを体内の呼吸信号とし、その金マーカと最も動きの相関が悪い金マーカを標的とした。体内及び体外の呼吸信号を、その強度及び周期を位相分けし、(体内,強度)、(体内,周期)、(体外,強度)の組み合わせによる4D-CBCT画像を作り、各位相で「真の3次元位置」と「再構成された3次元位置」の最大絶対誤差(MaxE)を求めた。頭尾方向ではMaxEの中央値の中央値で(体内,強度)が他の2つの再構成法に比べ有意に精度良く標的の三次元位置を再構成できていることが分かった。この結果を英文雑誌に投稿し受理されている ②実効原子番号測定法の開発を5×5 cm2の平面検出器を用いて実験を行った。測定物質は人体組織等価物質11種類を用い、その結果2%以内で実効原子番号を測定することができた。また2種類のエネルギーで撮像し再構成した画像を重みをつけて加算する仮想単色X線画像作成法も開発し、メタルアーチファクトの低減が可能か評価した。測定物質は直径2 cmのアクリル円柱に2本のチタン棒が挿入されているファントムで、エネルギーの組み合わせとして60-140を用いた。真値との相対誤差がゼロになる評価とコントラスト評価を組み合わせたFigure-of-merit(FoM)を提唱した。提案したFoMを用いて各エネルギーの組み合わせを評価したところ、(60,100)の組み合わせが最も適していることが分かった。
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