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2018 年度 実績報告書

エンドソーム不安定化ペプチドを用いた細胞内抗体導入法の開発と細胞機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 16J09206
研究機関京都大学

研究代表者

秋柴 美沙穂  京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード細胞内送達 / エンドソーム不安定化ペプチド / 膜透過 / マクロピノサイトーシス
研究実績の概要

研究実施者らは、クモ毒由来の膜傷害性ペプチドを改変し、エンドソーム不安定化ペプチドL17Eを開発した。L17Eを用いることで、通常エンドサイトーシス機構により細胞内に取り込まれ、エンドソームに捕捉される細胞外分子をサイトゾルに移行させることが可能である。本研究では、エンドソーム不安定化ペプチドの活性向上のための指針を得ることを目的とし、L17Eの作用機序解明に取り組んだ。L17Eには、マクロピノサイトーシスを誘導する・負電荷脂質に選択的に作用するという類似のエンドソーム不安定化分子には見られない性質を有する。これらの性質が細胞のどの点でどのように作用し、高分子の細胞内送達を実現しているかを明らかにすることを目指した。
高分子の細胞質内への送達を評価するために、高分子薬物モデルとして蛍光標識デキストラン(10kDa)を用いた。L17Eと共にデキストランを細胞に投与すると、デキストランがサイトゾルに移行する。このサイトゾルへの放出は、低温条件、ATP欠乏条件では認められないことから、エネルギー依存的なエンドサイトーシス経路を介していることが示唆された。時間依存性・エンドソームの成熟化および酸性化の関与を検討したところ、エンドソームの成熟化が進行する以前の比較的短い時間でサイトゾル放出が起こることが明らかとなった。さらに、マクロピノサイトーシスの誘導過程であるラッフリングが関与することを示唆する結果が得られた。これらに加えて、L17E処理によって細胞膜が撹乱され、一時的な細胞膜透過が起こる可能性が示唆された。細胞膜の攪乱はエネルギー依存的であり、ラッフリングの誘導が必要である可能性が考えられた。以上の結果はリソソーム分解系への移行を回避した、細胞膜上でのサイトゾルへの導入の可能性を示唆しており、細胞内送達法の開発に新たな概念を与えるものだと期待できる。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Inducible membrane permeabilization by attenuated lytic peptides: A new concept for accessing cell interiors through ruffled membranes2019

    • 著者名/発表者名
      Akishiba, Misao; Futaki, Shiroh
    • 雑誌名

      Molecular Pharmaceutics

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] クモ毒由来ペプチドL17Eを用いた高分子の細胞内導入メカニズムの検討2018

    • 著者名/発表者名
      秋柴美沙穂、二木史朗
    • 学会等名
      第12回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] L17E-mediated Cytosolic Delivery and its Mode of Action2018

    • 著者名/発表者名
      Misao Akishiba and Shiroh Futaki
    • 学会等名
      10th International Peptide Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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