研究実績の概要 |
初年度では、低分子量タンパク質データベースを利用し、機能ドメインの有無や進化的な保存性を考慮して、50種類を候補遺伝子として選別した。胚発生期における発現を検出し、その結果から胚発生期において造血・心血管を含む組織において特異的に高い発現が認められる低分子量タンパク質13種類を解析候補遺伝子として選別した。 次年度では、これらの標的遺伝子座位に対し、蛍光タンパク質遺伝子のノックインに取り組んでいたが、うまくいかなかった。変異体の作製には成功したので、表現型の解析をすすめたが、顕著な表現型は検出されなかった。現在は発現解析情報を中心に論文を作成している。 パイロット実験として行っていた低分子量タンパク質遺伝子ependymin related1 (epdr1) のノックインについては、標的座位がeGFP遺伝子にノックインされた系統を樹立した。この系統はepdr1の発現がeGFP蛍光でモニタリングすることが可能であった。また、両アリルがノックインされた個体は脳神経形成の異常が観察された。すなわち、ゲノム編集技術によるノックインにより、標的遺伝子の発現可視化と、loss-of-functionの表現型の誘導が可能であることを示した。この研究成果はOta S *, Taimatsu K *, Yanagi K, Namiki T, Ohga R, Higashijima S, Kawahara A “Functional visualization and disruption of targeted genes using CRISPR/Cas9-mediated eGFP reporter integration in zebrafish” Scientific Reports, (2016 ) *These authors contributed equally として発表した。
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