研究課題/領域番号 |
16J09355
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宍戸 達也 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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キーワード | MHC / CD74 |
研究実績の概要 |
申請者らはミスフォールド蛋白質がMHCクラスII分子のpeptide-bunding grooveに結合し、この複合体が自己免疫疾患で産生されている自己抗体の標的分子になっていることが明らかにしてきた。また、多くの自己免疫疾患において異所性にMHC IIが高発現していることに加えて、MHCアレルとの相関があると言われているが、MHC II 分子がどのように関与しているか、さらにはその詳細な作用機序についてはほとんど明らかになってはいない。申請者は、Invariant chain(CD74)がMHCクラスII分子のpeptide-bunding grooveの蓋をする役割を担っていることより、ミスフォールド蛋白質/MHCクラスII分子複合体の形成をInvariant chainが防ぐことによってミスフォールドタンパク質のMHC II 分子との会合を阻害し、その結果自己免疫疾患を制御していると考えた。Invariant chain欠損マウスは1990年代に報告があり、様々な解析が行われたが、自己免疫疾患のような病態を示すことは報告されていない。しかしながら、従来のInvariant chain欠損マウスでは、恒常的にミスフォールド蛋白質の提示が起こり、免疫異常が認められない可能性が考えられる。そこで誘導型Invariant chain欠損マウスを作成し、Invariant chainの自己免疫疾患における役割について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Invariant chain(CD74)遺伝子の両端にloxP配列を挿入した遺伝子改変マウス(CD74 f/f)をタモキシフェンによってCreを発現するCre-ERT2トランスジェニックマウスを掛け合わせることにより、誘導型のCD74欠損(CD74 cKO)マウスを作成した。これらのCD74 cKOマウスはCD74分子欠損直後では異常が認められないが、タモキシフェン投与後のCD74cKOマウスにおいて自己抗体の産生が亢進していた。
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今後の研究の推進方策 |
Invariant chainが自己抗体の産生を制御する役割を持つことを示唆している。今後はこの誘導型のCD74欠損マウスの解析を中心に、CD74分子により自己抗体の詳細なる産生機序解明を進めていく。
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