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2016 年度 実績報告書

長鎖非コードRNAの細胞内局在制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 16J09564
研究機関京都大学

研究代表者

町谷 充洋  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード長鎖非コードRNA
研究実績の概要

近年、リボザイムやマイクロRNA、長鎖非コードRNA (long non-coding RNA:lncRNA)の発見などにより、タンパク質をコードせず能動的な機能を有する非コードRNAの存在が明らかになってきた。これらの非コードRNAは、遺伝子の発現、分化、代謝など、非常に多岐にわたる形態及び機能を有しており、その機能の調節は種々の生命現象に影響を与える。種々の非コードRNAは特定の場所に局在化し、機能していることが明らかになっているが、その局在化機構に関しては、明らかにされていない。そこで本研究では、非コードRNAの局在化機構、ひいてはその機能解明を試みた。まず、哺乳類細胞の核内に安定的かつ多量に存在するlncRNAであり、種々のがんの悪性度、転移に関わると報告があるHOTAIRの局在化機構の解明を試みた。RNAプローブを数種類設計し、FISH法でのHOTAIRの検出を試みたが、シグナルが見られなかった。そこで、Bioresearch Technologies社のFISHプローブを用いて検出を試みたところ、核と細胞質に同程度のシグナルが見られた。次に、異種細胞間のヘテロカリオンを作製することで、HOTAIRが核と細胞質をシャトルするか検討した。ここでは、ヒト細胞株のHeLa細胞とマウス細胞株のNIH3T3細胞のヘテロカリオンを検討した。ヘテロカリオンを作っていないHeLa細胞、および、NIH3T3細胞を用いて、上記の方法でヒトHOTAIRに対するRNA FISHを行ったところ、HeLa細胞だけでなく、マウス細胞株であるNIH3T3細胞でもシグナルが検出された。今回用いたプローブは高い検出感度を示すものの、種特異性が低く、保存性の高いターゲット(ここではマウスHOTAIR)を検出してしまったと考えられる。今後は、保存性の低い種の細胞を用いた検討を行うなどの改善を試みたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始当初は、新たな研究環境への適応、研究材料の準備などでもたつくところも見られたが、徐々に新たな興味深い知見を見出し、おおむね期待通りの成果をあげることができた。今年度の成果に関しては、次年度で学会発表を計画している。また、上記の研究成果をもとに、さらに大きく研究を展開中である。

今後の研究の推進方策

昨年度までに、FISH法によるHOTAIRの検出に成功した。しかしながら、ヒトHOTAIRに対するプローブで、HeLa細胞だけでなく、マウス細胞株であるNIH3T3細胞でもシグナルが検出された。今回用いたプローブは高い検出感度を示すものの、種特異性が低く、保存性の高いターゲット(ここではマウスHOTAIR)を検出してしまったと考えられるため、今後は、保存性の低い種の細胞を用いた検討を行うなどの改善を試みる予定である。また、HOTAIRだけでなく、他のlncRNAでも検討していきたい。

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公開日: 2018-01-16  

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