研究実績の概要 |
超高齢化社会を迎え、科学的根拠を基盤にした、健康長寿を実現化する抗老化法の探策は急務である。中でもヒトは8割の情報を視覚から入手するため視覚の維持は生命の質に重要である。近年抗加齢医学の分野で着目されているNAD関連代謝産物の生体における役割は不明なところが多い。本研究では老化する末梢臓器の一つとして眼に着目し生理学的重要性や疾患標的としての可能性を検討した。 本年度の研究成果として第一にこれまで難しいとされていた生体由来産物におけるNAD関連代謝産物の分析方法をLCMS/MSを用いた絶対検量線法による濃度測定方法により検討を行い、NMN,NAD,NAMにおいて濃度範囲10nmol~2000nmol/Lにおいて測定を可能とした。第二にその検出系をもとに動物モデルにおけるそれらの代謝プロファイルの予備検討を行うことができた。第三に、複数の眼加齢性疾患モデルにおいてNAD関連代謝産物の有用性を見出すことに成功し、臨床応用も視野にした知財の申請を行うことができた。現在それらの有効性機序を解明するべく検討を行っている。
|