現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は可視光利用可能な材料の開発を目指し、研究を行った。一般的に層状窒化物の合成は困難であると認識されているが、合成条件を詳細に検討することで層状ペロブスカイト型酸窒化物であるLi2LaTa2O6Nを合成し、そのCO2還元光触媒としての活性を評価することに成功した。Li2LaTa2O6Nは可視光応答型の光触媒として機能するだけでなく、従来広く用いられてきた単純な層状ペロブスカイト型酸窒化物よりも高いCO2還元活性を示すことを見出した。層状ペロブスカイト型酸窒化物の光触媒、およびその高いポテンシャルを明らかとした初めての例である。 さらにこれまでに合成例が極めて少ない層状ペロブスカイト型酸窒化物であるが、層状ペロブスカイト型酸化物を前駆体として用いる方法を用いることで、A2LaTa2O6N (A = K, Rb, Cs)、K2ATa2O6N (A = Pr, Nd, Sm)、K2A2Ta3O9N (A = Ca, Sr, Ba), CsLa2Ta3O8N2の組成式で表される新規層状酸窒化物10種を新たに創出した。さらにこれらに化合物は空気中の水でさえも層空間に取り込む水への強い親和性を示し、かつ可視光照射下において光触媒活性を示すこともわかった。
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