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2017 年度 実績報告書

オメガ3脂肪酸作用機序に注目した子どもの発達障害に関する疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 16J11423
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

谷 友香子  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード妊婦 / 食事 / 脂肪酸 / 子ども / 炎症反応
研究実績の概要

本研究は妊婦が食事から摂取するオメガ3脂肪酸をはじめとした脂肪酸が子どもの発達障害の発症にどのように関連しているかを、現在進行中である母子コホート調査(子どものアレルギー疾患、発達障害、肥満などの環境要因を探索する目的で母親の妊娠期からその子どもが18歳になるまで追跡する出生コホート調査)を用いて明らかにすることを目的としている。子どもの発達障害についてはまだデータが得られていないため、平成29年度は昨年度に整備を行ったデータを用いて妊娠中の脂肪酸摂取と健康との関連について検討を行った。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用および心血管保護作用があることが知られている。そこで、妊婦を対象に行った食物摂取頻度票から妊娠中の脂肪酸摂取量を算出し、その後の母親の産後うつ症状及びその母親から産まれた子どもの血圧に及ぼす影響について解析を行った。産後うつは当事者の母親への影響のみならず、その子どもにも身体的・精神的に負の影響を及ぼす可能性が示唆されている。産後うつ症状の予防や治療に対して、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などのオメガ3脂肪酸との関連が注目されているが、妊娠中の食事からのオメガ3脂肪酸の摂取が産後うつ症状に効果的であるという根拠を示す疫学的知見は乏しい。そこで、妊娠中の食事からの脂肪酸摂取と産後うつ症状との関連について検討した結果、妊娠中の総オメガ3脂肪酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸摂取と産後うつ症状との間に統計的に有意な関連は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オメガ3脂肪酸の作用機序に着目し、妊娠中の食事からの脂肪酸摂取と産後うつ症状との関連について検討し、国際誌に論文を発表することができた。さらに、子どもの血圧に及ぼす影響についても解析を進めることができた。

今後の研究の推進方策

今後は妊娠期の総オメガ3脂肪酸の摂取量だけでなく、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、αリノレン酸などの種々のオメガ3脂肪酸に加え、リノレン酸、アラキドン酸をはじめとしたオメガ6脂肪酸、脂肪酸以外の栄養素にも着目し、子どもの炎症反応や発達障害に及ぼす影響について文献レビュー及び詳細な解析を進めていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Dietary n-3 Polyunsaturated Fatty Acids in Late Pregnancy and Postpartum Depressive Symptom among Japanese Women2017

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Minatsu、Ogawa Kohei、Morisaki Naho、Tani Yukako、Horikawa Reiko、Fujiwara Takeo
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychiatry

      巻: 8 ページ: 241

    • DOI

      10.3389/fpsyt.2017.00241

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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