研究実績の概要 |
下遠野研のNanoluc/HBV plasmidのNanolucを蛍光遺伝子に置き換えてまず蛍光遺伝子発現が確認されるか実験を始めた。蛍光遺伝子は輝度が最も高いものを2つ使用した(Azami-Green、Turbo-RFP)。Nanoluc直後のHBVのpreS1遺伝子領域のpromoterより上流の100bp程度を削り、蛍光遺伝子前後に制限酵素配列を付与して、PCR法とligationにより、蛍光遺伝子を挿入したHBV plasmidを2種類作成した(Azami-Green HBV, Turbo-RFP HBV)。HepG2細胞にそれぞれのplasmidを用いてtransfection(Lipofectamine 3000)したが、蛍光発色はなく、HBs抗原、HBe抗原のELISA測定法でHBVタンパクは検出されなかった。次に、In-Fusion HD cloning kitを用いて制限酵素配列のような、余分な配列を排除して蛍光遺伝子挿入を行い、新たに蛍光遺伝子挿入HBV plasmid(Azami-Green HBV, Turbo-RFP HBV)を作成した。HepG2細胞にそれらのplasmidをtransfection(Lipofectamine 3000)させると、Turbo-RFPでは20%程度の細胞に蛍光発色がみられたが、一方Azami-Greenではほんの3%以下程度の輝度の弱い蛍光発色しか確認されなかった。 次に、このTurbo-RFP挿入HBV(以下、RFP-HBV)を用いて感染実験を行った。HBVのε構造配列に変異を2か所挿入したHBV-⊿ε plasmidをHBVタンパクを補うため、co-transfectionさせた。14日間細胞培養し、7日間おきに上清を回収し、超遠心にて100倍濃縮して感染実験を行ったが、現状ではまだ粒子の形成は確認できていない。
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