研究課題
日本は孤立傾向にある高齢者の割合がOECD25か国のなかでもっとも高いとされ、国内の高齢社会白書においても社会的孤立の問題が取り上げられている。このような社会とのつながりが減少した状態、いわゆる「social frailty」は、高齢者の健康状態の衰退にも影響を及ぼす。social frailtyを有する高齢者94名を対象にグループワークを通じた社会交流を促進する介入を実施して、「コミュニケーションの量」の増加に対するランダム化比較試験を実施した。本研究を推進するにあたって、social frailtyを有する高齢者を地域在住高齢者より抽出する必要性があるため、受入研究期間が実施した大規模高齢者機能健診に参加した高齢者283名より、94名の社会的フレイルを有する高齢者を抽出し、研究参加の同意を得られたため、ランダム化比較試験の事前検査を実施した。介入については、地域に存在するような高齢者サロンを参考に、運動を中心としたグループワークを実施する週1回90分の教室を44回分実施した。事後検査については、参加が可能であった79名(介入群42名、対照群37名)の検査結果をまとめたが、単純な二元配置分散分析では、有意な介入効果が認められる検査結果は得られなかった。平成30年度においては、主要変数である「コミュケーション量」および脳画像データについて、Harvard T.H.Chan School of Public HealthのIchiro Kawachi教授のもとで解析方法を学ぶ機会を得たため、それらの解析を進めて介入効果について、より詳細に検討する予定である。
2: おおむね順調に進展している
ランダム化比較試験におけるグループエクササイズによる介入については、全ての介入スケジュール通りに進行し、大きな事故もなく終了した。事後検査については、参加が可能であった79名(介入群42名、対照群37名)の検査結果をまとめたが、単純な二元配置分散分析では、有意な介入効果が認められる検査結果は得られなかった。平成30年度においては、主要変数である「コミュケーション量」および脳画像データについて、Harvard T.H.Chan School of Public HealthのIchiro Kawachi教授のもとで解析方法を学ぶ機会を得たため、それらの解析を進めて介入効果について、より詳細に検討する。
平成30年度においては、主要変数である音声会話の時間を計測した「コミュケーション量」、および脳画像データについて、詳細な検討を実施する。なお、解析については、Harvard T.H.Chan School of Public HealthのIchiro Kawachi教授のもとで解析方法を学ぶ機会を得たため、Bostonにて実施する。また、並行して、研究対象者については縦断的な観察を実施し、認知症発症を追跡する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 18件、 査読あり 19件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 9件)
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