研究課題/領域番号 |
16J12056
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
テキ アライ 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD) (40837572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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キーワード | 出稼ぎ労働者 / ミャンマー農村 / 送金行動 / 貧困削減 / 東南アジア / 麻薬代替栽培 / 経済格差 / 女性移民 |
研究実績の概要 |
研究計画に沿って、まず京都大学経済学研究科、ならびに東南アジア研究所の先生方の指導を受けながら仮説を立て、検証するための方法について議論を重ねた。次に、コンピュータ、ソフトウェアの購入・設置など必要な整備を行った後、調査票を作成した。そして、2016年6月に第一回目フィールド調査、および12月に第二回目の追加調査を実施した。その成果として、入手が非常に困難とされるミャンマー・コーカン地区の農村家計データを61村の広域調査データ、その後12村396世帯の詳細データについて収集できた。 その後、7村256世帯を選出し、148人の出稼ぎ女性を研究対象にした。具体的に、2014年調査の補足調査、および2015年ケシの経営データ、そしてサトウキビをはじめとした代替作物の経営データ、農家世帯員の詳細な生計データ、および出稼ぎ労働者の就労・消費データなどが含まれている。上記のデータに対し分析を加え、出稼ぎ女性の送金行動の決定メカニズムおよびそれの家計所得への効果について実証研究を行った。 本研究は、2016年9月にチェンマイ大学で開催された国際セミナー、および11月にアジア政経学会秋季大会で発表した。さらに京都大学経済学研究科高野久紀准教授と共同執筆したワーキングペーパーを、12月に京都大学とチュラロンコン大学共催の「アジア経済発展論研究会」、および国際カンファレンス「Hayami Conference」で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミャンマー・コーカン地区の出稼ぎの実態と送金、それらの貧困削減・緩和への効果とメカニズムについて、調査・研究を実施した。その中、最も重要な課題として、家計の出稼ぎの決定要因、出稼ぎ女性の送金の決定要因、出稼ぎ女性の消費行動につい計量分析を行った。その上、計量分析の結果をフィールド調査で明らかにした現地情報に合わせて解釈した。以上の研究成果を、国際学会(2回)と国内学会・研究会(2回)で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に則って研究を推進し、平成30 年度までに研究内容をより一層深めることを図る。その後、ワーキングペーパーを精緻化して学術論文として書きあげ、国際ジャーナルに投稿する予定である。
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