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2018 年度 実績報告書

脳梗塞慢性期のT細胞の意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16J30001
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

伊藤 美菜子  慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2019-03-31
キーワード制御性T細胞 / 脳梗塞
研究実績の概要

脳梗塞を含めた多くの組織傷害はマクロファージを中心とした急性の自然免疫応答を惹起し、炎症収束後は組織修復や線維化を誘導する。しかしその後の慢性期には炎症は収まり免疫はあまり関与しないと考えられてきた。我々はマウス実験的脳虚血 (脳梗塞) モデルを用いて、発症1週間以内の急性期におけるマクロファージやγδT細胞を中心とした自然免疫関連炎症が脳内炎症について明らかにしてきた。しかし、慢性期の獲得免疫応答については不明な点が多い。
本研究では、発症2週間目以降の慢性期には多量のT細胞が浸潤しており極めて特殊な様相を示すことを見出した。脳梗塞後7日目から21日にかけて梗塞巣におけるT細胞の増加が認められ、IFN-γ陽性のTh1細胞とFoxp3陽性の制御性T細胞(Treg)が大半を占めた。脳梗塞慢性期にTregを除去したマウスでは、アストロサイトのグリオーシス(瘢痕化)が亢進し、神経傷害性アストロサイトへと変化していた。最近、組織特異的なTregについて報告されているが、脳Tregは脂肪や筋肉や大腸などに局在するTregとは異なる特徴をもっていた。脳TregはCCR6、CCR8、IL-33受容体(ST2)セロトニン受容体7を高発現しており、CCL20、CCL1依存的に脳内に浸潤した。IL-33やIL-2さらに神経伝達物質であるセロトニンによって増殖することが分かった。脳内Tregの産生するAmphiregulin(Areg)がアストログリオーシスを制御し、神経症状の回復に寄与した。脳Tregともいうべきいう新しいT細胞サブセットが慢性期の脳内炎症制御と組織修復に重要な役割を果たすことが明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Tissue regulatory T cells and neural repair.2019

    • 著者名/発表者名
      Ito M, Komai K, Nakamura T, Srirat T, Yoshimura A.
    • 雑誌名

      Int Immunol.

      巻: Mar 20. pii: dxz031. ページ: dxz031

    • DOI

      doi: 10.1093/intimm/dxz031.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss of TET proteins in regulatory T cells promotes abnormal proliferation, Foxp3 destabilization, and IL-17 expression.2019

    • 著者名/発表者名
      Nakatsukasa H, Oda M, Yin J, Chikuma S, Ito M, Koga-Iizuka M, Someya K, Kitagawa Y, Ohkura N, Sakaguchi S, Koya I, Sanosaka T, Kohyama J, Tsukada YI, Yamanaka S, Takamura-Enya T, Lu Q, Yoshimura A.
    • 雑誌名

      Int Immunol.

      巻: Feb 6. ページ: dxz008

    • DOI

      doi: 10.1093/intimm/dxz008.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Brain regulatory T cells suppress astrogliosis and potentiate neurological recovery.2019

    • 著者名/発表者名
      Ito M, Komai K, Mise-Omata S, Iizuka-Koga M, Noguchi Y, Kondo T, Sakai R, Matsuo K, Nakayama T, Yoshie O, Nakatsukasa H, Chikuma S, Shichita T, Yoshimura A.
    • 雑誌名

      Nature.

      巻: Jan;565(7738) ページ: 246-250.

    • DOI

      doi: 10.1038/s41586-018-0824-5.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development and Functional Modulation of Regulatory T Cells by Transcription Factors and Epigenetics.2018

    • 著者名/発表者名
      Ito M, Iizuka-Koga M, Ando M, Yoshimura A.
    • 雑誌名

      Cornea.

      巻: Jul 24;30(8) ページ: 357-373.

    • DOI

      doi: 10.1093/intimm/dxy043.

  • [学会発表] 脳梗塞慢性期における制御性T細胞の機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤美菜子
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] 脳梗塞慢性期における制御性T細胞の意義2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤美菜子
    • 学会等名
      第40回日本生物学的精神医学会、第61回日本神経化学会大会
  • [学会発表] 脳梗塞慢性期における制御性 T 細胞の機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      伊藤美菜子
    • 学会等名
      第83回日本インターフェロン・サイトカイン学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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