カメノコハムシ亜科の消化管に付随する共生器官およびメス成虫の生殖器官に付随する伝達器官に存在する共生細菌は、1936年の先駆的な観察以来、全く調べられていなかった。本研究課題の目的は、日本産カメノコハムシ亜科がもつ共生細菌を同定し、その多様性および宿主ハムシとの系統関係について明らかにすることである。 本年度は日本産カメノコハムシ亜科33種のうち、23種がγプロテオバクテリア内で単系統となる共生細菌を保有し、これらの種における共生細菌と宿主ハムシの系統関係は高度に一致することを明らかにした。また、10種については共生細菌も共生器官も存在しないことが判明し、高度な共進化関係の一方で、数回にわたって共生関係の喪失が生じたことが示唆された。
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