研究課題
当該年度は、EUV光源の特性評価、EUV光制御、放電プラズマ利用の検討を行なった。過去の研究結果から10-20 mJのEUV光を任意の強度に集光できることが利点であったが、帯域外光の取り扱い、およびEUV光量の制御をしておらず、材料試験装置として利用するために更なるEUV光の特性評価と制御機能を充実させる必要があった。本光源における過去の研究結果から、サンプル上に到達するEUV光のうち、8-20 nm帯の光が95%を占め、10-20 mJであるとの報告がされていたが、EUV光が透過しないスライドガラスを通しても試料の有意な改質が確認されたことから、帯域内の光量を見直した。軟X線フォトダイオードSXUVとZrフィルタの組み合わせにより、帯域内EUV光の光量のみ計測したところ、従来の報告よりも一桁低いエネルギーが得られた。しかし1 mJ/str/pulseを保証しているため、これまでと同じ集光ミラーでEUVスポットサイズを調整することで、材料への高フルエンスEUV光照射は可能である。駆動レーザーの照射強度(J/cm2)に対するEUV光の強度変化を明らかにした。キセノンへの駆動レーザー照射強度を変化させるとEUVスペクトルも変化を起こすが、駆動レーザーの入射強度に対する補正係数を導出し、入射強度-EUVエネルギーの校正曲線を求めた。結果、1桁の範囲でEUVエネルギーを調整することが可能となった。この他、スイス連邦材料試験研究所(EMPA)において放電プラズマEUV光源に関する検討をした。レーザー駆動EUV光源と同等またはそれ以上のエネルギーが利用できる光源であり、デブリフリーな点などの利点があるが、材料表面改質、アブレーションの実績がまだ無い。本年度はEUV光エネルギーおよび波長域の点では、レーザー駆動光源と平行して利用が可能であることが分かった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Explore, ICEP-IAAC 2018 Proceedings
巻: - ページ: 535-538
10.23919/ICEP.2018.8374644