研究課題
当研究の目的は、脳卒中後意欲減退を呈し訓練効果が低下している患者を対象に、背外側前頭前野のプライミング刺激と訓練の組み合わせという新たな手法で、意欲を改善させ、その後行う訓練効果を高め、機能回復を図ることである。平成28年度には、少数の健常者にて両側背外側前頭前野の刺激が意欲や気分に与える影響を確認した。今後は患者で前頭前野刺激の効果を確認する予定である。これまで、どのような訓練や脳神経刺激の組み合わせが回復を促すか、という観点で、新たな訓練や刺激法の開発が行われてきた。一方、訓練効率や回復の程度は患者の訓練に対する意欲に少なからず左右されるという問題があった。これまでは、訓練効果をあげ、機能回復させ、それを患者にフィードバックすることで、自然に意欲改善させていくことはできたが、直接的に意欲減退に介入する効果的な方法はなかった。本研究では、前頭前野刺激という方法で直接的に患者の意欲に介入する点が特色である。また、前頭前野刺激をプライミングとして用い、その後機能訓練を行うことで、訓練効果への影響を明らかにするという点が新しい。本研究のように、意欲改善とともに機能回復させる介入法についての報告はこれまでにない。よって、本研究の手法は新たなリハビリテーション法となり、関連する研究において重要な意義をもつと思われる。本研究の結果、脳卒中後意欲減退を呈する患者において、意欲を改善させると同時に、歩行機能回復をもたらすことで、介助が必要な患者にとってADL向上、及び生活の質(QOL)向上がもたらされると期待される。運動機能回復・ADLの向上だけでなく、意欲改善も図ることができれば、障害発症後引きこもりがちな患者において、患者の社会参加や再就労も可能となると考えられ、高齢化社会の日本において、社会の活性化という点でも本研究の意義は非常に大きいと考える。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Brain Stimulation
巻: - ページ: -
10.1016/j.brs.2017.02.005.
Front Hum Neurosci.
巻: - ページ: 598