現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に得られた、各種癌細胞株の低酸素ストレス下においてのアミノ酸トランスポータ発現量についての実験結果を基盤として、メチオニンPETを応用し、γカウンタを用いた細胞培養におけるトランスポータ発現と放射能の相関についての実験を施行した。対象コントロールとして、低酸素バイオマーカーとしての関連が報告されている放射性同位元素である2-ニトロイミダゾール骨格を持つ放射性フッ素標識化合物2-(2-nitro-1H-imidazol1-yl)- N-(2, 2, 3, 3, 3- pentafluoropropyl)- acetamide ( 以下、18F-EF5)、糖代謝の放射性薬剤の対象コントロールとして、2-deoxy-2-[fluorine-18]fluoro- D-glucose(18F-FDG)についても、アミノ酸トレーサーと比較検討を行うために、同様の手法を用いて、細胞培養株における放射能の相関について実験を施行した。 これらin vitroで得られた実験結果を、現在の進捗状況の第一報告として、2017年にVienna開催された30th Annual Congress of the European Association of Nuclear Medicine(EANM2017)で電子ポスターによる発表を行い、学会会場で座長を始めとした専門家や有識者の研究者らと活発で有意義なディスカッションを交わすことができた。本研究のin vitroからin vivoへ向けた研究発展の課題として挙げられている癌細胞の病理組織像の相違(腺癌や扁平上皮癌などの癌の組織型による考察の違い)や、臨床診療における治療法の相違が、今後臨床研究を進捗するうえでキーポイントであるという具体的なアドバイスと討論を交換した。
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