| 研究課題/領域番号 |
16K00008
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
井田 哲雄 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (70100047)
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| 研究分担者 |
Ghourabi Fadoua お茶の水女子大学, 理学部, 学部教育研究協力員 (30709324) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 計算折紙 / Geometric Algebra / 自動定理証明 / 計算幾何学 / 幾何代数 |
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| 研究実績の概要 |
２０１８年度からの研究活動を継続して行った．すなわち，平面及び立体折紙計算論に適合した形での，二次元，三次元のGeometric Algebraの緻密な理論の構築と，その実装である．また，一般化が可能な場合には高次のGeometric Algebraの展開を計った．実装については，別途開発が進んでいる計算折紙ソフトウェアシステムEosとの整合性をとりつつ，進める必要がある．そのため，計画通りには進んでいないが，着実な進歩がある．問題点や利点も明確になりつつある．実装の難しさよりも，作業量の多さが計画の進展のボトルネックになっている．２０１９年度における成果としては，Eosの定理証明系とGeometric Algebraモジュールの結合がよりスムースになった点である．この成果により，証明すべき命題をGeometric Algebraで容易に記述できるようになった．２０１９年度は，二次元空間の幾何オブジェクトに対象を絞り，ユークリッド平面幾何学の折紙による解釈を主として考察してきたが，同時に２０２０年度にむけて，三次元の問題へと対象を広めた予備的考察も行った．Geometric Algebraをより有効に活用するには，Eosのコードを整理する必要がある．現行の方式は，折紙書き換え系をベースにして，基本的にはユークリッド幾何学の表現を多項式代数系へと変換しているが，これをGeometric Algebraを介して書き換え，実際的なシステムにまで洗練させる作業を進めた．これには多大な労力を必要としている．本研究の推進年度中には，全体的な指針を得ることに目標をより具体的に再設定し，研究成果の公表の準備を２０１９年度後半以来進めた．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者が私企業に異動したため，労力を必要とする研究に遅れが出ている．研究の焦点を，少し変えるなどして，対処しているが，遅れは完全には解消されていない．
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| 今後の研究の推進方策 |
研究の到達目標については，労力を要するシステム実装については試験的な実装にとどめ，Geometric Algebraを用いることによって得られる折紙計算論の展開の可能性とその利点に焦点を当てて，研究を進めている．これまでに得られた成果はつぎのとおりである．（１）Geometric Algebraの検証済みモジュールの作成，（２）計算折紙システムへの実装の検討と整理，特にドキュメント化とデータベース化の推進．（２）については，研究当初から取り組んでおり，2019年度も鋭意推進した．
研究分担者が企業の研究組織に異動したため，研究を進めていく上で，労力を必要とする作業については避け，新たな知見を得られる段階までにとどめることとしている．我々が開発してきたシステムの学術上の意義を公刊するためには，詳細のドキュメント化をすすめるとともに，新規関連研究や成果の実用化へのインセンティブをもたらすよう，知見の開示をしつつ，本研究を進めている．なお，現行の研究制度では，若手研究者が長い時間をかけて，ひとつのテーマでじっくり研究を行うことが難しく，分担者が研究班から途中で離脱してしまうリスクは研究総括者の個人的努力では避けきれない．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究成果のとりまとめが遅れているため，成果発表を計画した研究集会への旅費が未消化となった．２０２０年度には，最終研究成果の発表を国際会議で行う予定であり，その旅費として用いる予定である．
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